【10月12日 CNS】中国・国家発展改革委員会は、広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)で先月23日から24日にかけて出稼ぎ労働者の都市戸籍取得に関する現場会議を開き、農村からの出稼ぎの多い地区で1億人の農村戸籍者が都市戸籍を取得できるよう、全面的な督促を行い、年末までに進展させ、都市戸籍取得サービスの質を着実に向上させるよう求めた。

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 戸籍開放の大きな社会的背景の下、近年は東部沿海地区の大都市では競って人材を獲得する動きが出ており、地方都市においても次々と戸籍取得の制限が取り払われている。

 湖北省(Hubei)宜昌市(Yichang)政府の公式ウェブサイトで先月26日、都市戸籍取得のすべての制限撤廃が発表された。以前は合法的に安定して就業し、合法的に安定した住所があり、法律に基づき社会保険に加入していることが都市戸籍取得の前提条件だったが、これが全面的に撤廃された。本人および配偶者、子女、夫婦双方の父母はその居住地(購入不動産、賃貸不動産を問わず)で戸籍を申請することができ、居住地で戸籍登記を基本とする全市統一の新型戸籍制度がつくられたのだ。

 地方都市で次々と制限が取り払われると同時に、大都市においても緩和策が発表された。寧波(Ningbo)などのやや大きめの大都市では、人口1000万人を狙うため、戸籍制限を取り払い、人材獲得に力を入れている。

 広州(Guangzhou)、深セン(Shenzhen)などの超大型都市においても、戸籍制限は緩和されている。広州市は今年1月、新たな転入者に関する戸籍制度を発表し、大学本科卒以上の学歴で年齢が40歳未満であれば戸籍取得可能としている。

 厦門大学(Xiamen University)経済学部の丁長発(Ding Changfa)副教授は「大型都市は、大幅に戸籍制限を緩めてはいるが、まだ学歴や経済レベルなどの制限は残っている。これに比べ、地方都市はもともと戸籍の制限は厳しくないが、人口は大都市に流れてしまう。教育や医療サービスの格差以外に、産業の発展レベルが足りないことによる。現状を見ると、人材をつなぎとめることのできるところは、直轄市、各省の省都などの主要都市で、地方都市では人をつなぎとめるには限界がある」と説明する。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News