■西岸よりも死刑多いガザ

 パレスチナの司法制度で死刑が適用されるのはイスラエルとの共謀、殺人、麻薬密売の罪などだ。

 一方、同じパレスチナ自治区ながら死刑をめぐる状況は、ガザ地区とマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長率いるファタハ(Fatah)が統治するヨルダン川西岸(West Bank)とでは対照的だ。

 ヨルダン川西岸で死刑が執行されたのは1994~2002年の間に2度だけで、それより後は一度も行われていない。これに対しガザでは1994年以降、33人が死刑に処されている。

 シャクラ氏によると、ハマスがガザ地区の実権を掌握した2007年以降に出された死刑判決は96回。大半は軍事法廷によるもので、多くにイスラエルを利する諜報(ちょうほう)活動を行った罪が適用された。

 ガザでは今年だけで21回も死刑判決が出されており、11月にも殺人の罪で3人に対し死刑が執行されているが、人権活動家らは透明性の欠如を問題視し、ガザ当局側が主張する死刑による犯罪抑止効果には根拠がないと指摘している。(c)AFP/Sakher Abou El Oun