【5月20日 AFP】(一部更新)イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は20日、イスラエル領内からパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)に戻るパレスチナ人がイスラエル人入植者と同じバスに乗ることを禁止する措置を、一時凍結するよう命じた。

 パレスチナ人の同乗禁止措置は、モシェ・ヤアロン(Moshe Yaalon)国防相の承認の下、3か月間の試験運用期間が始まったばかりだった。だが首相府高官がAFPに語ったところによると、運用開始のわずか数時間後、ネタニヤフ首相が凍結を決定。同高官は「首相には容認できない案だったので、首相はけさ、国防相と話し合い、凍結が決まった」と述べた。

 運用開始にあたって国防省高官は、AFPに「20日から始まる3か月間の試験期間中、イスラエル領内で働くパレスチナ人は、帰宅する際に同じ検問所から、(ヨルダン川西岸のイスラエル占領地に住むイスラエル)住民が使っているバスを使わずに帰宅する必要がある」と説明していた。

 同措置の発表を受けて人権団体や野党は即座に反発、パレスチナ人に不必要な屈辱感を与え、最終的にはイスラエルに損害を与えることになると批判していた。

 ヨルダン川西岸からは、主に建設業で働くパレスチナ人が毎日数千人、イスラエル領内へ通勤しており、通過許可証を使用して検問所を通過している。西岸に住むイスラエル人入植者たちは長年、パレスチナ人の存在は安全を脅かすとして、西岸でパレスチナ人の公共交通の利用を禁じるべきだと要求していた。(c)AFP