【5月24日 AFP】韓国で今週、子どもを狙った性犯罪を繰り返した男(45)に対し、性的衝動を抑制する薬物を投与する「化学的去勢」が初めて執行される。

 韓国法務省当局者が23日AFPに語ったところによると、法務省傘下の委員会は21日、10歳の少女に対する強姦未遂で禁錮10年の判決を受けて服役中の「パク」受刑者に対し、薬物治療を行うよう命令を出した。パク受刑者は以前にも16歳未満の女児への性的暴行で3度、有罪となり服役している。

 法務省当局者によるとパク受刑者は7月に仮出所するが、その後3年間は「本人の意思に関わらず」男性ホルモンを調整して性的衝動を抑制する薬物の注射を3か月ごとに受けなければならない。 

 韓国では前年7月、16歳未満を相手に性犯罪を犯した19歳以上の性犯罪常習者を化学的に「去勢」する薬物投与が法制化された。実際に執行されるのはこれが初めてとなる。

 この措置にパク受刑者が合意したかどうかは不明だが、同受刑者のように悪質な性犯罪の場合には本人の同意は不要とされる。法務省当局者によれば、薬物注射を拒否したり注射の効果を緩和する別の薬物を摂取した場合、パク受刑者には禁錮刑か罰金が科せられるという。

 薬物注射に加えて、パク受刑者には心理療法の受診や居場所が特定できるGPS足輪の着用が義務付けられるほか、子どもたちが利用する施設への立ち入りも禁じられる。(c)AFP