2024年4月30日(火)

Wedge REPORT

2016年9月16日

 敵地東京ドームでめでたく25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島東洋カープ。優勝を決めた9月10日の東京ドーム3塁側は真っ赤に染まった。普段は巨人ファン一色の一塁側でも赤が目立った。「カープ女子」が2014年の流行語大賞トップテンに選ばれるなど、近年、首都圏の球場を埋めるカープファンが急増していることは周知の通り。

カープ女子座談会に参加してくださった皆さんと、東京広島県人会の松島輝男さんご夫妻

 ヤクルトファンの筆者は神宮球場に通い出してかれこれ25年になる。基本的にネット裏2階席のB指定で観戦しているのだが、数年前からこの場所で観戦すると、カープファンに囲まれるようになった。

 それどころか、このエリアのチケット自体が取りにくくなったため、最近は広島戦だけはやむなく1塁側のスタンドで観戦している。かつてカープ戦は楽勝でチケットがとれるカードだった。この場所でカープファンに囲まれることなどありえず、3塁側のスタンドも内外野ともにガラガラだったが、東日本大震災の翌年あたりから徐々にカープファンが増え始め、あれよあれよという間に阪神戦や巨人戦を凌ぐ混雑ぶりになった。

 そのあたりから「カープ女子」なる単語を耳にするようになったわけだが、なぜ首都圏のカープファンは短期間にこれだけ急増したのか。

 テレビ朝日が2012年6月に、『アメトーーク』でカープ芸人を取り上げたことや、ヤングキングで連載された、カープファンの女子高生を主人公にした漫画『球場ラヴァーズ』などの影響という説もあるにはあるが、『アメトーーク』は2015年3月に2回目が放送されるまでブランクが3年近くあり、たった1回の放送での影響力は限定的だろう。ヤングキングも公称部数は5万部たらず。

 ホーム球場でなら、自チームを盛り上げる演出を仕掛けるなど、球団の経営努力で観客動員数を増やせるが、ビジター球場となると、場所が敵地となるだけに球団の経営努力だけではどうにもならない。短期間に首都圏在住の広島県人が急増するはずもない。

 このテーマには、実は他球団も関心を抱いている。そこで7人のカープ女子に集まってもらい、原因分析を試みていただいた。

 参加者のプロフィールは次の通り。

 あやさん・ゆかさん
広島生まれ、広島育ちの双子姉妹。現在は東京在住。

 くみこさん
大阪出身。広島在住経験は一度もない。カープファン歴十数年。

 ゆうさん
高橋建・某在阪球団投手コーチ(1995年~2008年、2010年に投手として カープに所属)の長女。

 ようこさん
東京生まれの東京育ちだが、父親が広島出身。

 けいこさん
大阪生まれの東京育ちだが、父親が広島出身。

 ミキさん
兵庫生まれの神奈川育ち。広島在住経験は一度もない。子供の頃から家族ぐるみで巨人ファンだったが、カープファンに転向して15年以上。


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