青野照市「勝負師たちの系譜」

どんな子が将棋のプロになるか 大切な負けても腐らず向き合う資質 藤井聡太七冠の活躍で子供将棋教室が大流行

女流棋士になるには、研修会でB2クラス(来年度からはB1)に上がれば、女流2級として登録されるが、棋士になるには、奨励会を四段まで登っていかねばならない。

私が見た小学生で最高の才能は、増田康宏七段(16歳で四段)で、小学4年の時、プロが見ても最初から最後まで違和感のない将棋を指していて、驚いたことがある。

そのくらいの才能がないと、奨励会に入っても難しいのだが、私自身は中学を卒業して奨励会に入ったときの実力が、アマ二段だったから強くは言えない。

また最近でも、杉本昌隆八段門下の齊藤裕也四段は、同門の藤井と同期で入会(15歳)したが、藤井からは大きく遅れ、三段になったのが、プロになる年齢制限(26歳)目前の24歳。

途中、降段などの辛い経験もしたが、三段リーグは史上7人目の1期抜け。棋士になっても、8割ペースで勝っているから、遅咲きの棋士と言える。

どんな子が棋士になれるか一概には言えないが、負けが込んでも腐らず、将棋に向き合えるという、資質だけは大切かと思う。

■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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