全国に先駆け導入した大型EVバス、5年でひっそり運行終了 故障が多発 車体価格は8700万円
2022/09/26 21:03
2014年に薩摩川内市が導入した大型電気バス
EVは「こしきバス」として、JR九州川内駅と川内港高速船ターミナルをつないだ。大型電気バスの路線バス導入は、北九州市と並んで日本初だった。1回の充電で最長80キロ走れ、車体価格は約8700万円。市負担分は2000万円で、残りは国の補助金など。デザインは、九州新幹線「つばめ」や高速船甑島も担当した水戸岡鋭治氏。経済シティセールス部の有馬眞二郎部長は「電気バスの話題性と一貫した水戸岡デザインでまちをPRできた」と意義を語る。
しかし、運行面では故障が目立った。予定した稼働日のうち運休日数が約3割を占めた。結局、13万6000キロを走って19年3月に引退。市総合運動公園の駐車場で非常用電源として保管された。
地域のイベントでも活用する予定だったが、新型コロナの感染拡大もあり、展示は1回のみ。非常用電源としての使用もなかった。一方、維持費は点検代や充電設備の電気代などで年間約180万円を要した。市は「経年劣化が進んだ」ためとして、本年度予算で処分費用134万円を計上。6月末にバスを業者へ引き渡した。こしきバスの運用は、一般的なバスに比べ短命に終わった。
この数年で世界的に脱炭素が求められEV技術も飛躍的に進歩。大型電気バスの導入も各地で見られるようになった。ただ、電気バスの再導入について有馬部長は「二酸化炭素の削減効果や費用を勘案して判断しなければならない」と慎重に語った。
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