在外投票不可は「違憲」 国民審査法めぐり初判断―国会の不作為、賠償命じる・最高裁大法廷
2022年05月25日16時15分
海外在住邦人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは憲法違反かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、「国民審査法が審査権の行使を全く認めていないのは憲法に違反する」との初判断を示した。国会が長期にわたり正当な理由なく立法措置を怠ったと不作為を認め、賠償も命じた。
裁判官全員一致の意見。総務省は在外投票を可能とする法改正を検討する見通し。
最高裁が法律を違憲と判断したのは、民法の再婚禁止期間をめぐる2015年の判決に次いで戦後11例目。このうち立法不作為に基づく賠償を認めたのは、在外選挙権をめぐる05年の判決以来、2例目となった。
ブラジル在住の平野司さんら5人が、17年衆院選時に行われた国民審査に在外投票できず、翌18年に提訴。平野さん以外は既に帰国している。