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「親ロシア派」は何者? ウクライナ東部のかいらい政権―ニュースQ&A

2022年02月21日14時47分

ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」幹部のプシリン氏=2014年5月、ドネツク(AFP時事)

ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」幹部のプシリン氏=2014年5月、ドネツク(AFP時事)

  • マレーシア機撃墜の現場に立つ親ロシア派武装勢力=2014年11月、ウクライナ東部ドネツク州(AFP時事)
  • 【図解】ウクライナ東部

 ロシア軍が国境付近に押し寄せて緊張が高まる中、ウクライナ東部の親ロシア派支配地域でも不穏な空気が漂い、8年前から続く紛争の再燃が懸念されている。
 ―どんな場所。
 ドネツク州とルガンスク州を合わせた炭鉱地帯が「ドンバス地方」。ロシアに接し、かつてソ連中の労働者が集まったため、ウクライナ語よりロシア語の方が通じる。ドイツのメルケル前首相は若き日、ドネツクでロシア語を学んだ。
 ―なぜ紛争が起きた。
 2014年のデモでロシア寄りのヤヌコビッチ大統領(当時)が失脚すると、ロシアはお手盛りの住民投票を経て、南部クリミア半島を併合。さらに東部に軍事介入して紛争地とし、かいらい政権を樹立した。武装勢力は「人民共和国」を自称。ロシア軍が支援しているのは公然の秘密だ。
 ―犠牲者も多いのでは。
 国連によると、政府軍と親ロ派の双方に住民を含む計1万4000人以上が亡くなった。また、親ロ派の仕業とされる14年のマレーシア機撃墜事件では、乗客乗員298人全員が死亡する悲劇も起きた。
 ―親ロ派は住民代表なの?
 そうとも言えない。幹部の多くはロシアの情報機関などから送り込まれている。プーチン政権の指示を受けているのは確実で、ここに来て急増する砲撃や偽情報も、ウクライナを挑発して戦火に引き込むための策略とみられる。
 ―プーチン政権はどうしたい。
 長引く紛争を「内戦」と主張し、親ロ派支配地域も「国家」とは承認していない。ウクライナの一部として、中央政府の北大西洋条約機構(NATO)加盟方針に異を唱えさせたいようだ。独立を認めれば方針転換であり、紛争解決に向けたミンスク合意違反となる。(時事)

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