ロケ地流山、受賞に期待 映画「ドライブ・マイ・カー」米アカデミー賞4部門候補 作品誘致の筒井さん「次作も」

ホール出入り口で行われた撮影の様子(筒井さん提供)
ホール出入り口で行われた撮影の様子(筒井さん提供)
流山市内で行われた撮影。左は霧島れいかさん、車内は西島秀俊さん(c)2021年「ドライブ・マイ・カー」製作委員会
流山市内で行われた撮影。左は霧島れいかさん、車内は西島秀俊さん(c)2021年「ドライブ・マイ・カー」製作委員会

 第94回米アカデミー賞の4部門で候補作となった濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」。撮影はメーンの広島県だけでなく、ロケ誘致に積極的な流山市でも行われた。ロケ地誘致にかかわった関係者は作品の国際的な評価に喜び「ここまで来たら、ぜひ受賞してほしい」と期待を寄せている。

 同市内でロケに使われたのは、流山おおたかの森駅近くのスターツおおたかの森ホール。同市フィルムコミッション(FC)を長年支え、今回の作品を誘致した筒井秀夫さん(60)によると、車寄せのあるホール出入り口が劇中でテレビ局の玄関、舞台や楽屋が演劇の場面に使われた。

 撮影時は主人公の乗る赤のサーブが出入り口前に横付けされ、主演の西島秀俊さんらが演技に臨んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で撮影は一時中断に見舞われ、当時は完成するかどうか心配したという。

 濱口監督とは前作「寝ても覚めても」のロケ地として市内の新築マンションを紹介したことでつながりができた。今作の製作開始前にスタッフから打診を受け、筒井さんは「新しいホールがある」と提案した。

 濱口監督は流山市のロケ地としての魅力について「都心に近く都内の雰囲気を出せる。FCと市民が撮影の要望をかなえ、積極的に要望もしてくれる」ことを挙げたという。筒井さんは「次作のロケも流山に誘致し監督と再会したい」と話している。

 「ドライブ・マイ・カー」は村上春樹さんの短編小説が原作。妻を亡くした舞台俳優で演出家の主人公(西島さん)が演劇祭のため訪れた広島で専属運転手に任命された女性(三浦透子さん)と出会い、自身の悲しみを見つめ直す姿を描いた。


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