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黒部ダム建設 支えたカレー

2021年11月25日 05時00分 (11月25日 12時01分更新)
ビタミンちくわ入りのカレー

ビタミンちくわ入りのカレー

  • ビタミンちくわ入りのカレー
  • ビタミンちくわ入りのカレーを食べる(左から)長嶌勇次さん、高橋秀夫さん、松井十九一さんら=長野県大町市平の扇沢レストハウスで

長野・大町 「ビタミンちくわ」入り再現、味わう

 「世紀の難工事」と呼ばれる黒部ダム(立山町)の建設で、作業員の宿舎で提供されていた「ビタミンちくわ」入りのカレーライスが再現された。元作業員ら関係者が、長野県大町市平の扇沢レストハウスに集まり、カレーを味わいながら当時を懐かしんだ。(大塚涼矢)
 レストハウスを運営する関電アメニックスの社員が元作業員らへの聞き取りで、当時は週一回ほどビタミンちくわ入りのカレーを食べていたことが判明。問い合わせを受けた製造元の「スギヨ」(石川県七尾市)は、自社製品が一九五〇年代に始まった大工事を支えていたことを知り、メニューの再現を企画した。
 ビタミンちくわは来年で誕生から七十周年を迎えるという。同社によると、スケトウダラやサメのすり身を原料に、ビタミンAやビタミンEが豊富に含まれている。
 レストハウスの前身施設で調理人だった大町市平の長嶌勇次さん(83)が調理。ジャガイモやニンジンなど野菜たっぷりのカレーに、輪切りにしたちくわを入れて当時の味を再現した。
 スギヨでちくわの製造責任者を務めた七尾市の松井十九一さん(77)、ダムえん堤建設に携わった大町市常盤の高橋秀夫さん(78)、長嶌さんら五人が実食。「当時の仕事が懐かしい」「昔よりちくわがおいしくなった」などと感想を言い合った。
 スギヨでは五人の対談などを撮影し、映像を来年一月下旬にホームページで公開する。その後もちくわ入りカレーを使った食育プランを県内の小学校に提案する予定で、同社の担当者は「ビタミンちくわは七割が長野県で消費されている。食育の取り組みで七十年間愛してもらったお礼をしたい」と話した。

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