地元の鉄路が帰ってきた! 復旧にかけた鉄道員たちの熱い想い JR水郡線&上田電鉄

21/04/16まで

鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~

放送日:2021/04/09

#のりもの#鉄道#トラベル#ローカル

ざっくりいうと

  • 長野県を走る上田電鉄と、茨城県と福島県を結ぶJR水郡線。
  • 2019年の台風被害で一部区間が不通になっていたが、今年3月に全線復旧!
  • 災害を乗り越えた両路線の「おめでたい音」を特集!

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21/04/16まで

音で鉄道の楽しさや、鉄道の旅の魅力を伝える、ラジオならではの鉄道番組「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」。

2019年の台風19号の被害により一部区間で運休となっていた上田電鉄とJR水郡線。今年3月に約1年5か月ぶりに全線で運転を再開しました。今回は災害を乗り越えた両路線の様子と、復旧に込めた鉄道員たちの想いをお送りします!

きょうが新しい水郡線のスタート!

水郡線で活躍するキハE130系

JR東日本・水郡線は茨城県水戸市と福島県郡山市を結ぶ路線。久慈川沿いを走ることから「奥久慈清流ライン」という愛称がついています。
2019年の台風19号で袋田~常陸大子(ひたちだいご)間の第六久慈川橋りょうが落ちるなど、3つの鉄橋が大きな被害を受けましたが3月27日に全線で運転再開。
常陸大子駅長 堀野圭一さんにお話を伺いました。

常陸大子駅長 堀野圭一さん

記者: 水郡線全線開通した今のお気持ちは?
堀野さん: 台風19号の影響で一部区間が不通になり1年5か月がたちましたが、この間ご不便をお掛けしました。
復旧に当たっては多くの方のご支援を賜りながら、この日を迎える事ができました。大子町の皆さんもこの日を心待ちにしていたと思います。この3月27日の全線運転再開をスタートとして、新しい水郡線を作って行けたらと考えております。
記者: けさの始発から、地元の方などが多く来られましたが、そういう反応を見ていかがですか?
堀野さん: とても感慨深いものがあります。地域の方が非常に心待ちにしていて、多くの方が水郡線の全線運転再開を楽しみにしていたので、これからも多くの方にご利用頂ければと思います。

復旧した第六久慈川橋りょうを渡る列車

さびついたレールが再び輝きを取り戻せた!

のどかな風景の中を走る別所線

上田電鉄 別所線は長野県上田市の上田駅から別所温泉駅までの11.6キロを結ぶ私鉄ローカル線。地元の人の足だけでなく、別所温泉へ向かう観光路線としても活躍。今年6月には開業100周年を迎えます。

千曲川を渡る赤い鉄橋・千曲川橋りょうが、この路線のシンボルになっていましたが、2019年の台風19号で崩落。3月28日に復旧し全線で運転再開しました。
運転再開初日に上田駅で行われた出発式での、上田駅長・児平高明さんのあいさつをお送りします。

出発式であいさつをする上田駅長・児平高明さん

左:千曲川橋りょうの復旧工事の様子
右:復旧した千曲川橋りょうを渡る一番列車

上田さん: この記念すべき日に大勢のお客様にお集まりいただきましてありがとうございます。
ホームに電車が停まって、久しぶりに活気が戻って、私自身胸が熱くなっています。
2019年10月の台風で被災して、鉄橋が落橋した風景を見て、私は言葉を失いました。それ以降、大勢の方にご支援・ご声援をいただきまして、本日までやってまいりました。
皆様の熱い思いが、私をはじめ社員に力を与えていただきました。非常に気持ちが熱くなっています。
皆様からいただいたこの想いから、赤い鉄橋を架けていただき、さび付いたレールが再び輝きを取り戻すことが出来ました。
別所線は引き続き、安全安心してご利用いただける鉄道として、しっかりと役割を果たしてまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

一番列車に乗務した矢澤さんにインタビュー!

番組MCの野月貴弘さんが、運転再開初日の一番列車に乗務していた上田電鉄運輸課長の矢澤勉さんにリモートでお話を伺いました。

野月さん: 復旧を望む地域からも多くの署名や募金が集まったそうですね。
矢澤さん: 赤い鉄橋は以前から別所線のシンボルでしたが、われわれが思っている以上に、市民や出身者、ファンの皆さまから「上田市のシンボルの赤い鉄橋を復旧させてほしい」という声をたくさんいただき、この赤い鉄橋を皆さんが大事に思っていたのを改めて感じました。
野月さん: 矢澤さんは、運転再開の一番列車に車掌として乗務されていたのですか?
矢澤さん: 本来は運転担当なので、災害が起きた2019年10月12日の最後の電車に乗務していました。
3月28日の一番列車では、添乗という形で乗務していたのですが、大勢の方が朝の一番列車に乗っていただいたので、何かご案内しないといけないと思って放送したので、車掌のように皆さんにアナウンスしていました。
野月さん: 全線復旧の時のお気持ちを伺ってもよろしいですか?
矢澤さん: 千曲川橋りょうを最後に渡った電車と、復旧後の一番列車に乗務しましたが、1年5か月という期間はとても長く感じました。ここまでたくさんの応援のおかげで来られたのが一番胸に響きました。

祝福ムードに包まれた一番列車

上田駅を出発した一番列車に、以前に明知鉄道をトレベリンした鉄道アーティストの小倉沙耶さんがプライベートで乗車していました! 小倉さんが録音した矢澤さんの車内アナウンスをお送りします!

復旧した千曲川橋りょうを渡る一番列車

車内
アナウンス
(矢澤さん):
おはようございます。本日、別所線ご利用いただましてありがとうございます。
別所線まもなく千曲川橋りょうを渡ります。1年5か月ぶりに皆様のご声援のおかげで、ここまで来ることが出来ました。

~(警笛)~

車内
アナウンス
(矢澤さん):
1年5か月ぶりの千曲川橋りょうの走行音をお楽しみください。

~(千曲川橋りょうを渡る音)~

車内
アナウンス
(矢澤さん):
まもなく城下、城下です。左側全てのドア開きます。ドア付近お立ちのお客様ご注意ください。

~(城下駅到着~ドア開く)~

一番列車に乗車した小倉沙耶さん

小倉沙耶さんからも一番列車に乗車した感想をいただきました!

小倉さん: 3月28日、上田電鉄さんの一番列車に乗ってまいりました。
本来の始発列車より早い5時55分発の臨時列車が一番列車になるということで、私は朝5時位に並びました。地元のご家族連れなどもいて、新しい赤い橋を渡れるということで子どもさんも喜んでいました。
皆さんしっかりと感染症対策をしていて、車内は程よい混み具合で、ご家族連れも鉄道ファンもゆったりと一番列車を楽しんでいました。

千曲川橋りょうを渡る時は、堤防沿いや並行して架かる県道の橋からもたくさんの方々が手を振りながら列車をお祝いして、そして車内からも手を振り返す。そんな姿がたくさん見られました。
新しい橋りょうの通過はとても静かで、とっても快適でした。

スタジオトークよりひと言

土屋礼央さん

土屋さん: (JR水郡線も上田電鉄も)インタビューを受けている駅長さんの言葉が胸にしみますね。地元の方も長いこと復旧を待ち望んでいたことも伝わってきました。

久野知美さん

久野さん: 一部区間が不通になり、鉄道員の皆さまも1年5か月もの間、もどかしい気持ちを抱えていたと思います。皆さまのコメントにも復旧に対する想いが込められているのが、より伝わってきました。

野月貴弘さん

野月さん: 全線復旧のときは皆が祝っている雰囲気があり、聴いているわれわれにも胸に来るものがありますね。

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