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論点

家族はどこへ

 家族観が揺れている。同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める条例が東京都渋谷区で施行される一方で、最高裁は昨年暮れ、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断した。選択的夫婦別姓制度については、世論は割れる。そして、多様化する家族のかたち。この国の家族はどこへ向かおうとしているのか。

選択の自由を保障して 下重暁子・作家

 「下重暁子」をペンネームだと思っている人は多いが、私はこの名前で生まれ、育った。40年ほど前に結婚したとき、連れ合い(夫)の姓に変わった。いろいろ考えた末に妥協したのが大間違いで、ものすごく後悔している。

 私たち二人はそれぞれ仕事をし、独立採算制で生きてきた。家など一緒に暮らす上で必要なものは半々で買っている。それなのに戸籍から下重暁子という人が存在しなくなり、私は戸籍筆頭者の付属物という扱いになった。逆に下重暁子を公式に証明するものはない。「私はいないの?」とショックだった。別の名前で呼ばれることの「不快さ」は、男には分からないだろう。

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