4車線化優先決まる!磐越道・若松-安田、常磐道・浪江-山元

 

 国土交通省は4日、2車線の対面通行で暫定運用している全国の高速道のうち122区間約880キロを4車線に広げる方針を決めた。本県関係では、磐越道会津若松―安田インターチェンジ(IC)間(延長71キロ)の対面通行区間(同42キロ)と常磐道浪江―山元IC間(延長56キロ)の対面通行区間(同34キロ)が4車線化を優先する区間に選ばれた。

 国交省は財源を確保しながら順次着工し、10~15年かけて完成を目指す。有料の対面通行区間は全国に計約1600キロあるが、半分超が解消に向かう見通し。

 対面通行区間は中央分離帯がある4車線区間に比べ死亡事故の発生率が高く、大雪や土砂崩れなど災害で通行止めになりやすいため全国の自治体から拡幅を求める声が相次いでいた。

 磐越道は、冬季に積雪に伴う事故の恐れが高く、通行止め時間の長さが指摘されてきた。常磐道は、首都圏につながる東北道の機能を補完する役目が強まる一方、震災の復興関連事業などで通行する車両が増加し渋滞が懸案になっている。

 国交省は渋滞や死傷事故の頻度、工事以外の原因による年間通行止め時間などを考慮し、約1600キロの中から優先して整備する区間を選んだ。

 県や沿線市町村などは、暫定2車線の常磐道広野―浪江IC間(延長約30キロ)と、新潟県の磐越道安田IC―新潟中央ジャンクション(JCT)間(同約25キロ)の4車線化も要望しているが、優先整備区間に含まれなかった。

 4車線化を優先する区間は、急減速で渋滞しやすい上り坂、事故が多発するICの合流部分、災害で長期間の通行止めが起きやすい場所が中心となっている。

 国交省は交通状況の変化を踏まえ、3~5年後をめどに対象区間の追加を検討する。当面4車線化が見込めない区間では、センターラインにワイヤロープ式防護柵を設置するなどの事故防止対策を講じる方針だ。

 内堀知事「復興に貢献」

 本県関係2区間が優先整備区間に選ばれたことを受け、内堀雅雄知事は「渋滞の緩和や災害に強い、安全で円滑な交通が確保され、本県の復興・創生に大きく貢献するものと期待している」とのコメントを出した。