スズキ、検査不正6400台=マツダやヤマハ発も発覚-意図的改ざんとリコール否定

排ガス検査不正問題を陳謝する(写真左から)ヤマハ発動機の渡部克明副社長、スズキの鈴木俊宏社長(いずれも中央)、マツダの菖蒲田清孝専務=9日、東京都内

 国土交通省は9日、スズキ、マツダ、ヤマハ発動機が出荷前の自動車や二輪車の排ガスなどの検査で不適切な計測を行っていたと発表した。日産自動車で7月に発覚したデータ改ざんを受け、国交省がメーカー各社に調査を要請していた。検査不正は3社で計6480台。スズキでは調査対象車の半数の6401台で不正があった。

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 3社は東京都内でそれぞれ記者会見した。スズキの鈴木俊宏社長は「これだけの台数を誤って処理した事実は大きな問題。厳粛に受け止める」と陳謝。マツダの菖蒲田清孝専務は「信頼を損ないかねない事案として重く受け止める」と述べた。ヤマハ発の渡部克明副社長も「顧客、取引先に深くおわびする」と頭を下げた。3社とも意図的な改ざんやリコール(回収・無償修理)の必要性は否定した。
 国交省によると、3社は排ガスの抜き取り検査で、有害物質量の測定に失敗しながら、やり直しをせず有効として処理した。スズキは2012年6月~18年7月に対象1万2819台の自動車の49.9%に当たる6401台で不適切な検査を行った。マツダは14年11月~18年7月に72台、ヤマハ発は16年1月~18年7月に二輪車7台で同様の不正があった。
 スズキの湖西工場(静岡県湖西市)では、不正な計測が7割と突出して多かった。鈴木社長は再検証の結果、排ガスに関する性能は満たしていると主張し、検査データの改ざんは否定した。経営陣や関与者の処分については「内容を精査して決めたい」と語った。
 スズキが工場への検査担当管理職の配置や測定装置の改良を打ち出すなど、3社は再発防止策を講じる方針を示した。(2018/08/09-20:40)

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