青葉区版 掲載号:2018年6月7日号
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将棋「叡王戦」で初タイトル 区内在住・高見泰地さん

文化

対局を振り返る高見叡王
対局を振り返る高見叡王
 将棋の第3期叡王戦(ドワンゴ主催)決勝七番勝負の第4局が5月26日、群馬県の富岡製糸場で行われ、青葉区在住の高見泰地(たいち)六段(同日付で七段に昇段・24)が金井恒太六段を4連勝で破り、初タイトルとなる「叡王(えいおう)」を獲得した。

 今回新たに、竜王戦や名人戦と並ぶ8大タイトルの1つになった叡王戦。段位別予選を経て、本戦トーナメントを勝ち抜いた2人が決勝七番勝負に臨み、4勝した棋士が「叡王」の称号を獲得する。今期は予選が昨年6月から実施され、160人ほどの全現役プロ棋士と女流棋士1人、アマチュア1人が頂点を競った。

 「半年間、タイトルを目標にやってきた」という高見叡王。タイトル戦は初めてだが、本戦トーナメントでは渡辺明棋王や元タイトル保持者の丸山忠久九段といった強豪棋士を相手に勝利。「先生方に勝ったからこそ、自分がタイトルを取らなければ申し訳ない。勝たないと」。師匠の石田和雄九段からも「出たからにはタイトルをとれ」と言われていた。師匠への恩返し、棋士としての思いを胸に、4月14日からの七番勝負へ挑んだ。

「チャンス」を力に精神力でつかんだ叡王

 七番勝負は第4局まで、1局ごとに2週間の間隔が空く。長丁場の戦いにモチベーション維持の大変さを思い知ったという。第3局では、同じ局面が繰り返される千日手が成立、指し直しに。「苦しかったが勝負の流れがこちらに来て、うまく勝つことが出来た」。臨んだ第4局でも勝利し、4連勝で叡王の座をつかんだ。「終盤で自分の方が持ち時間が残るように戦った。難しい局面は何度もあったが、気持ちを強く持つことができた」と振り返る。

「ぶつかるだけ」

 昨年6月の予選から、長い戦いの中でも印象的だったのが、元名人の丸山九段との対局だ。七番勝負への切符をかけた本戦最後の1局。その重圧に食は進まなくなり、体重も3キロ減。対局が夢にまで出てきたという。

 それでも「相手は強いが、若さは自分にある。ぶつかるだけ」。相手の分析や棋士同士での練習を積んで挑んだ対局は、これまでで最もよい対戦内容だったという。「追いつめられるのは良くないが、『やってきたチャンスを1回でつかめる人間になりたい』との思いで力に変えられた」

 田奈小学校出身。高校3年でプロ棋士になった。幼稚園のときにボードゲームの将棋に出合うと、小学校から都内の将棋教室に通うほどのめりこんだ。「自分より強い同級生のライバルに勝とうと強くなると、その間に相手もまた強くなっている。終わりも答えもないその繰り返しが奥深く、おもしろかった」

 地元では、同じ青葉区出身の森内俊之九段が設立した「青葉将棋クラブ」にもよく顔を出すという。「地元で将棋を楽しむというのは嬉しいですね」

 次の目標は、1年後のタイトル防衛、そして複数タイトルの獲得。「今後は『強い相手だからしょうがない』は通用しない。どんな人とも恥じない勝負ができれば」

同タイトル戦のキーワードにもなったという「夢」の字を手にする高見叡王
同タイトル戦のキーワードにもなったという「夢」の字を手にする高見叡王

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