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東北整備局岩手河川国道/宮古盛岡横断道・新区界トンネル(岩手県宮古市)が貫通  [2017年12月26日6面]

 宮古盛岡横断道路(岩手県宮古市~盛岡市)を構成し、道路トンネルとしては岩手県内で最長となる国道106号区界道路「(仮称)新区界トンネル」(延長4998メートル)が貫通したのに合わせ、東北地方整備局岩手河川国道事務所は22日、トンネル坑内を報道関係者に公開した=写真。全国的にも事例の少ない4カ所の切羽で施工し、掘削期間を当初の見込みより約11カ月短縮した。施工は鹿島・東急建設JVが担当。
 区界道路(延長8キロ)は宮古盛岡横断道路で最大の難所となる区界峠を通るルートで、国道106号の宮古市区界~盛岡市簗川(12・8キロ)間の急カーブ(23カ所)など線形不良区間を解消するとともに、災害など緊急時の物資輸送、地域間の連携・交流の強化を目的に11年度から事業を進めている。
 区間内には、新区界トンネルのほか、簗川トンネル(延長1576メートル)や簗川新橋、去石跨線橋などが計画され、全体の約8割をトンネルが占める。13年度から現地で工事に着手し、20年度内の開通を目指している。開通すれば所要時間が現在の15分から6分に短縮される。
 新区界トンネルの宮古市側の坑口の標高は600メートル以上。盛岡側の坑口との高低差は約200メートルで、盛岡に向かって4%の下り勾配がある。内空断面積は約95平方メートル。本坑と平行して避難坑(延長5045メートル、内空断面積約20平方メートル)を整備している。掘削工法はNATM。工事費は約250億円。
 掘削に着手したのは14年11月。先行して掘削した避難坑から本坑に向けて作業坑を掘り、宮古側、盛岡側それぞれの本坑の途中から掘削することで、通常は2カ所の切羽を4カ所に増やして施工した。11月22日に本坑、同27日に避難坑が貫通した。本坑貫通までに2年9カ月(1000日)、避難坑貫通までに3年(1100日)を要し、延べ作業人数は約17万7200人に達した。
 岩手河川国道事務所の十枝内美範副所長は「地質的に一様でなかったが、補助工法を使いながら順調に来た。一番の難所の区界峠のトンネルが貫通し、線形不良区間の解消に一歩近づいた」と話した。
 現場を指揮する西川幸一所長(鹿島・東急建設JV)は「一日でも早く開通させるため、さまざまな技術を採用し、予備の機械も置くなど掘削が止まらないよう工夫した」と振り返った。
 貫通式は18年1月11日にトンネル坑内の宮古、盛岡両市境地点で行われる。
 簗川トンネルは残り134メートルまで掘削が完了しており、早ければ3月に貫通する見通しという。

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