●ブランド米“コシヒカリ”の誕生を巡る新潟VS福井の因縁

新米が店頭に並びだす今の時期は、各地で新たなブランド米が名乗りを上げる時期でもあります。その様子は、さしずめ「群雄割拠（ぐんゆうかっきょ）のコメ戦国時代」といった感じです。し烈な戦いが繰り広げられる中、とある因縁を抱えた２つの県が火花を散らしています。それは「新潟VS福井」。新潟は、かのブランド米「コシヒカリ」の“生みの親”なのだそうです。そして一方の福井は、そのコシヒカリの“育ての親”だといいます。1944年、新たなコメ品種を作ろうとした新潟が「農林１号」と「農林22号」を交配して生まれた20株を福井で育て、そのうちの１つがコシヒカリになったのだとか。そんな両県が、コシヒカリの誕生から61年を経た今年、新たなブランド米で対決します！

●新潟の新ブランド米“新之助”

新之助
価格：972円（1kg）、1750円（2kg）、3780円（5kg）
販売場所/三越日本橋本店 新館12階
食品統括部 日本橋商品部
生鮮・味匠庵・グローサリー・銘店元階ギフト
住所/東京都中央区日本橋室町1-4-1
TEL/03-3274-1824
◆日本橋三越では10月17日（火）まで期間限定で「新之助」を使ったメニューを提供中
・本館地下1階
＜有職＞「新之助」茶巾寿司864円（1個）
＜しゃれむすび＞味噌焼むすび216円（1個）
・本館7階
＜特別食堂 日本橋＞秋の実り膳4536円
・新館9階
＜グリル 満天星 麻布十番＞金華豚御膳2800円（1人前）
・新館10階
＜なだ万＞釜炊き栗ごはん3240円（2人前）

全国トップの作付（さくつけ）面積を誇る“日本一のコメどころ”でありながら、北海道産「ゆめぴりか」に取引価格で抜かれてしまったり、気象災害による収穫被害が懸念されたりと、このところやや陰りが見えてしまっている新潟。そんな危機感を打破すべく現れた新潟の新ブランド米が、先週「日本橋三越」で華々しいデビューを飾った「新之助」です。開発に8年の歳月を費やしたといいます。「コシヒカリより甘みもコクも上で、ほど良い食感や粘りも魅力」というこの大型ルーキーのパワーで、新潟は“コメどころ王者”の座を強固なものとしていく考えだそうです。

●福井の新ブランド米“いちほまれ”

いちほまれ
価格：1545円（2kg）、3520円（5kg）
販売場所/三越日本橋本店 新館12階
食品統括部 日本橋商品部
生鮮・味匠庵・グローサリー・銘店元階ギフト
住所/東京都中央区日本橋室町1-4-1
TEL/03-3274-1824

そんな新之助に対抗するのが、やはり今月「日本橋三越」でデビューを飾った福井の新ブランド米「いちほまれ」です。試食したお客様の評価も「甘くて口当たりが良くて美味しい」と上々。「コメの粒感や粘り気が強く、コシヒカリよりモチモチしている」そうで、早くも新之助の良きライバルとなっている模様です。

●各地で生み出される新ブランド米と、それらを少量ずつ味わえる“ペットボトルのおコメ”

ペットボトルのおコメ
価格：300ｇ（2合分）400円～
販売場所/ＫＯＭＥＫＵＵＴＯ（コメクート）
住所/青森県八戸市大字田向字毘沙門前39-3
TEL/0178-51-6070
※11月から東京・新宿でも販売の予定

お米マイスター・澁谷梨絵さんの著書
「世界でいちばんおいしい　お米とごはんの本」
出版社/ワニブックス
定価：1200（税別）※発売中

今回紹介した「新之助」や「いちほまれ」以外にも、北海道の「ゆめぴりか」、青森の「晴天の霹靂（へきれき）」、岩手の「銀河のしずく」、山形の「つや姫」、福島の「天のつぶ」、栃木の「夢ごこち」、岐阜の「縁結び」、滋賀の「大粒ダイヤ」、熊本の「くまさんの輝き」など、様々なブランド米が存在します。日本のコメの銘柄は、今年3月の時点でなんと「753種類」もあるのだとか！

こうした“コメ戦国時代”について、お米マイスターの澁谷梨絵さんは「次々に色々な品種が出てくるが、お客様の手に取ってもらう理由のないコメはやはり廃（すた）れる傾向にある」とコメントされています。また、今年のコメは「日照不足や長雨の影響が心配されたが、全体的には上々の出来」なのだとか。

澁谷さんは「コメはワインと同じで産地ごとに当たり年があるので、早く収穫される南から北へ少量ずつ試していって、その年の“ＭＹブランド米”を決めて楽しむと良い」ともおっしゃっていました。それにピッタリな「各地のブランド米を少量ずつ味わえる画期的な商品」も販売されています。色々な銘柄のコメ2合をペットボトルに入れたもので、ペットボトルに入れると長く保存できるのだそうです。