【高論卓説】「リアル書店」が生き残る道 カフェ併設型が人気、カギは“体験” (1/2ページ)

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 街の書店を取り巻く環境は厳しさを増している。日本の書店数は2017年5月1日現在で1万2526店と、1999年の2万2296店から4割以上も減った(アルメディア調べ)。東京商工リサーチの調べによると、2016年の書店倒産件数は25件(前年は16件)、休廃業・解散の件数も41件(前年は38件)と高水準だ。

 リアル書店の経営悪化と軌を一にして成長しているのが、オンライン書店だ。アマゾンは日本全体の新刊書販売の1割程度を担っているとみられ、「日本最大の本屋」になった。早晩、オンライン書店はリアル書店を駆逐してしまうようにも思えてくる。

 しかし、そうした逆境にもかかわらず伸びている書店はある。「TSUTAYA」や「蔦屋書店」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の新刊書店は16年末時点で812店を数え、書籍・雑誌の販売額は1308億円に上る。過去10年で店舗数は1.6倍、販売額は1.7倍に伸びており、書店チェーンとしては紀伊国屋書店(売上高は16年8月期で1059億円)を上回る国内最大手となった。

 CCCの書店の特徴は、書籍を持ち込んで長居できる居心地のよいカフェを併設している店舗が多いこと。書籍を売るための企業努力をしているのだ。

 「街の零細書店」でも変化が起きている。家族経営だった零細書店が後継者難によって姿を消す中で、カフェ併設型のおしゃれな書店が注目されている。

リアル書店運営、アマゾンでも