前橋市が使わなくなったマンホールのふたを販売し、注目を集めている。下水道事業への関心を高めることを目的に今夏、1枚3千円で10枚の購入者を募ると申し込みが殺到。全国でも珍しい取り組みといい、次回の販売も検討している。
「反響の大きさに驚いた」と市水道局の担当者。売り出したふたは直径約60センチ、約40キロの鉄製で、市の花であるバラなどがデザインされている。多くは1980~90年代に作られたが、製造年が不明のものもあった。
今年8月にホームページで告知、市内では現物の展示会も開催した。ふたの販売は前例がなく、希望者がいるか未知数だったが、群馬県内だけでなく埼玉、愛知両県などから計193件の申し込みがあった。最も人気を集めたふたの倍率は40倍超だったという。
抽選を実施し、当たった人に10月、市の施設でふたを譲り渡した。それぞれ車に積むなどして持ち帰ったという。購入者には転売しないとの誓約書を提出してもらった。
地域色豊かなふたのデザインを紹介する「マンホールカード」の人気が高まっている。
これまでは、不要になったふたを業者が資源として買い取っていたが「マンホールカードが人気なら、実物を販売すれば喜ぶ人もいるのでは」と市が企画した。販売が好評だったことについて、担当者は「市のPRにもつながったのなら、うれしい」と話している。〔共同〕