従軍慰安婦報道、ジャーナリストらの控訴棄却

 朝日新聞社のいわゆる従軍慰安婦問題の報道を巡り、「誤った報道で日本の国際的評価が低下した」として、ジャーナリストらが同社に慰謝料と謝罪広告の掲載を求めた名誉毀損きそん訴訟で、東京高裁は29日、請求を棄却した1審・東京地裁判決を支持し、ジャーナリストらの控訴を棄却する判決を言い渡した。

 村田渉裁判長は「原告らが自尊感情を傷つけられたと感じた可能性は否定できないが、記事で個々人の名誉が傷つけられたとまでは認められない」と判断した。

 判決によると、朝日新聞は、1982~94年の間に13回にわたって報道した、いわゆる従軍慰安婦問題の記事について、2014年に虚偽だったなどとして取り消し・訂正を行った。今回の訴訟の原告は1審段階で2万5722人だったが、控訴審では56人に減った。