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また世界的サイバー攻撃 ウクライナ、ロシア、米欧にも被害 チェルノブイリ原発にも波及

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また世界的サイバー攻撃 ウクライナ、ロシア、米欧にも被害 チェルノブイリ原発にも波及

搭乗ターミナルのそばを通過する乗用車=27日、キエフ郊外のボリスピール国際空港(ロイター) 搭乗ターミナルのそばを通過する乗用車=27日、キエフ郊外のボリスピール国際空港(ロイター)

 【モスクワ=黒川信雄】ウクライナやロシア、米欧各国で27日、大規模なサイバー攻撃が発生し、政府機関や銀行、民間企業などで被害が出た。ロイター通信によると、1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発では、米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」への接続が一時遮断され、放射線監視システムが自動から手動に切り替えられた。

 ロシアのネットセキュリティー会社「カスペルスキー ラボ」は、約2000件の被害が確認されたと発表。攻撃はロシアとウクライナに集中し、ポーランドやイタリア、英国、ドイツ、フランス、米国にも広がったとしている。今年5月に日本など約100カ国で広がったサイバー攻撃と同様、身代金要求型ウイルス「ランサムウェア」による攻撃で、英BBC放送は同じネットワーク上の弱点が狙われたとする専門家の見方を報じた。

 ウクライナでは政府系機関や地下鉄、空港などが攻撃を受けたほか、エネルギー分野などの民間企業で被害が続出。コンピューターをロックし、解除する代わりに仮想通貨「ビットコイン」で300ドル(約3万4千円)を支払うよう求める表示が出たという。グロイスマン首相は「かつてない規模の攻撃だ」と指摘した。チェルノブイリ原発の担当者は、「監視システムは正常に稼働している」としている。

 ロシアでは石油関連企業や金融機関が攻撃され、国営石油最大手「ロスネフチ」は生産設備への影響を避けるため予備システムを稼働させた。

 欧州ではデンマークに拠点を置く海運大手「APモラー・マースク」、仏建材・ガラス大手「サンゴバン」、英広告大手WPP、米国では製薬大手「メルク」が被害を受けた。

 ドイツ政府の情報安全管轄機関は今回の攻撃について、ランサムウェア「Petya」が使われたとの見方を示した。5月の攻撃で使われたランサムウェア「WannaCry」と似ているという指摘もある。一方、「カスペルスキー ラボ」は、Petyaとは異なる新種のランサムウェア「NotPetya」による攻撃だとした。

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