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人気再燃 ルーレットおみくじ器、注文殺到

北多摩製作所のルーレット式おみくじ器。熟練の従業員が63個の部品を全て手作業で組み立てる

 昭和の風情漂う喫茶店の定番アイテム「ルーレット式おみくじ器」の人気が再燃している。国内で唯一製造を手掛ける滝沢市の北多摩製作所には、全国から注文が殺到。ふるさと納税の返礼品にも選ばれ、もはや同市の新・特産品だ。

 100円玉を入れてレバーを動かすと、ルーレットが回り、ぽんと飛び出すロール状に巻いたおみくじ。ルーレットで出た数字や血液型で「活動的な人に出会える」「家の中でじっとしてはいけない」と運勢が記されている。
 金属加工が本業の同社は、おみくじ器がブームになった1980年代に製造を始めた。ルーレットを取り付けて数字占いの要素を加えたアイデアが受け、一時は年間約20万台を出荷した。
 その後、喫茶店の減少もあってブームは去り、競合他社は相次いで撤退。ほとんど注文が来なくなっても、同社だけがほそぼそと製造を続けてきた。
 転機が訪れたのは、ホームページ(HP)を開設して商品情報を掲載した2013年だった。メールで注文を受け付けると、問い合わせが急増。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」におみくじ器が登場したことも追い風になった。
 同社営業本部長の進藤卓弥さん(60)は「懐かしさに引かれて全国の飲食店や美容室から注文が毎日来る。貯金箱として自宅に置く人もいる」と話す。年間販売台数は現在、約2000台だという。
 15年には市がふるさと納税の返礼品に採用。名産のスイカや伝統行事「チャグチャグ馬コ」をあしらった限定デザインを発表し、昨年は市内の観光ツアーに工場見学が盛り込まれた。
 進藤さんは「海外からの問い合わせもある。秋には市特産のリンゴを模した新デザインを発表したい」と意気込む。
 おみくじ器は1台8640円(税込み)。連絡先は北多摩製作所019(687)1140。


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2017年05月13日土曜日


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