ポケモンGOしたあと死亡事故 運転手に有罪判決

ポケモンGOしたあと死亡事故 運転手に有罪判決
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去年9月、京都府長岡京市で、大型クレーン車で信号待ちをしている時にスマートフォン向けのゲームアプリ、ポケモンGOをしていて、その後、発進した際にミニバイクに追突して女性を死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われた大型クレーン車の元運転手に、京都地方裁判所は執行猶予のついた禁錮1年6か月の有罪判決を言い渡しました。
京都市山科区の大型クレーン車の元運転手、根上弘樹被告(48)は去年9月、長岡京市の交差点で赤信号で停止したあと、発進してミニバイクに追突し、乗っていた39歳の女性をおよそ130メートル引きずって死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われました。

これまでの裁判の中で、被告は「走行中にはゲームをしておらず、ミニバイクに追突したことには気が付かなかった」などと主張していました。

17日の判決で、京都地方裁判所の奥山雅哉裁判官は「ミニバイクは目視出来ない位置に停止していたが、車内のモニターを注視していれば容易に気付くことが出来た。少なくとも信号停止中にはポケモンGOをしていて、『目視出来ない位置にミニバイクが停止していることはない』という過信と相まって、安全確認の義務に違反した」と指摘し、禁錮1年6か月、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

遺族が陳述

17日の裁判では、判決の言い渡しの前に、亡くなった女性の母親の檜森素江さん(75)が意見陳述を行い「何の落ち度もない万里が一方的に命を奪われ、悲しみで胸が張り裂けそうです。今後はゲームの操作で起こした事故には厳しい刑罰を与え、娘の命をむだにしないように強く望みます」と述べました。

裁判のあと、素江さんはNHKの取材に、「大切な娘を亡くしてこの先、何も考えられません。こんな悲しみは私たちで最後にしてほしいです」と話しました。

被告弁護士「5年の執行猶予 重く受け止める」

裁判のあと被告の弁護士は、NHKなどの取材に「5年間の執行猶予というのは限りなく実刑に近い判決で重く受け止めている」と述べ、控訴しない方針を示しました。