☆☆犯罪被害者損害賠償補償法の制定を!☆☆

余りにも低過ぎる犯罪被害者等給付金。せめて自賠責保険金なみにして欲しい。


【2000年2月8日】

☆ 犯罪被害者等給付金支給法改正される。


 犯罪被害者等給付金支給法が改正され、2001(平成13)年7月1日より被害者への補償の範囲が、後述するように、対象、金額ともに拡大されました。しかしながら、自動車事故の場合の損害賠償保険いわゆる強制保険の場合に比べると、最低補償としてはまだまだ十分なものではありません。下関駅通り魔事件被害者の会と同弁護団は、本事件において、駅構内で自動車にはねられて被害を受けた人とホームで刺されて被害を受けた人との差が余りにも大きいことを訴えてきましたが、その訴えと国民世論の高まりの中で前進したことを喜びたいと思います。今後は、この事件を通じて、国民の皆さんと共に全ての犯罪被害者が自動車の強制保険並の補償を受けられるような制度、例えば犯罪被害者補償法のような新しい法律の制定を求めて奮闘したいと思います。

            

改正法の内容

 1、遺族給付金

  (1)支給を受けられる遺族の範囲と順位

   @ 配偶者、 A子、B父母、C孫、・ D祖父母、E兄弟姉妹

         但し、上記A〜Eの場合は被害者の収入により生計を維持して者
  (2)支給額  最低320万円から最高1573万円まで

 2、重傷病給付金

  (1)支給を受けられる人

    犯罪行為により加療1カ月以上の負傷又は疾病で、かつ、負傷又は疾病にかかった日から起算して3カ月を経過即するまでの官に、当該療養のために14日以上入院した被害者本人

  (2)支給額  3月間の保険診療による医療費の自己負担額を加算して支給

 3、障害給付金

  (1)支給を受けられる人

    犯罪の被害により障害が残った被害者本人(障害等級:第1級〜第14級) 
  (2)支給額

     最高額(障害等級1級)〜1849万2000円

   最低額(障害等級14級)〜18万円


同じ犯人に同じ機会に被害にあって

 ん? 自動車保険と犯罪被害者給付金で こんなに大きな開き

 こんどの事件では、コンコースで自動車ではねられて死亡した方2名、ホームで刃物で刺されて死亡した人3名、自動車ではねられた方には自動車保険が適用されますが、ホームで刺された方は、通り魔事件などに適用される「犯罪被害者給付金」となります。同じ事件の同じ被害者でこんなに大きな差が生まれます。

被害補償の法制度の差

区分 強制保険(自動車) 犯罪被害者給付金
関係 金額 子、孫 両親 兄弟姉妹 金額 子、孫 両親 兄弟姉妹
死亡 3000万円 1079万円 被害者の収入により
生計維持し妻がいない場合○
後遺症 1級 3000万円 1級から14級まであるが
被害者本人のみ
1340万円 被害者本人のみ
2級 2590万円 1190万円
3級 2219万円 1050万円
4級 1889万円 920万円
5級 1574万円 0円
6級 1296万円 0円
7級 1051万円 0円
8級 819万円 0円

 ※ この金額は、最高金額であり、年齢、収入により差があり、本件被害者が現実に受け取る金額は、もっと低くなります。
 

【2000年10月12日】

発生から一年を迎え問題がさまざまに発生

 被害者の会が、2000(平成12)年5月11日、下関簡易裁判所に、上部被告人とその両親を相手方として民事調停の申立をし、その後、6月19日、7月17日、9月4日の3回に渡り調停が進められています。この調停で、被害者の会は、被告人の両親から誠意ある謝罪と応分の補償がなされるよう求めていますが、難航しています。しかし、調停委員会は事態の解決に向けて誠実な活動を続けており、被害者の会も、その進行に期待を寄せている段階です。

犯罪被害者給付金支給される!
自動車損害賠償保険(強制保険金に比べて余りにも低い金額に戸惑い


 上部被告の側から保険金の解約金1000万円を支払うということから、犯罪被害者等給付金支給法に基づく支払い金が、本年2月になり漸く書類が受理をされましたが、9月初めに漸く支給されました。その支給金額は、刃物で刺されて亡くなられた方が高齢の方あるいは女性であることから、支給最高額の1079万円に遥かに及ばず300万円前後となっています。
 ホームで刺されて亡くなったAさんの場合、損害算定すると大体3000〜3300万円(慰謝料にづいての考え方の幅があるからです。)程度になります。このAさんが自動車にはねられて亡くなられた場合には、自動車損害賠償責任保険(強制保険)を被害者請求をすると、査定事務所の調査をへた上で1300万円位が請求後遅くとも1月余で支払われます。そして、その金額に不足ありとして裁判を起こせば判決金額のうち既払の1300万円と合わせて3000万円までの支払いが強制保険からなされます。そして、総額3300万円の損害であると裁判所が判決すれば差額の300万円は、加害者からの支払いを受けることが出来るのです。
 ところが、犯罪被害者給付金は、このような支払いを加害者から受けると既に支給されている290万円を返還せよという念書を差し入れさせているので、遺族は、この支給金を返還しなければならなくなるのです。このような仕組になっているため、自動車にはねられて亡くなられた方の遺族は、犯罪被害者給付金の申請をされていないのです。

ホームで刺されて怪我をされた人には、治療費も後遺症も何の補償もされない

 ホームで刺されて怪我をされたNさんは、必死の努力で自分でタクシーを拾って病院に行き九死に一生を得られました。顔に大きな切り傷が残っている他内臓に障害があり、一年経った現在も通院を続けておられます。ところが、Nさんの後遺症は、顔の傷痕が顔面醜状て12級に該当しますが、内臓の障害の程度が判らないために、犯罪被害者給付金の対象となる四級以上の障害に該当しないとして申請をしても支給されないだろうといわれています。そのため、治療費についても国民健康保険を使って自己負担分の支払いをしながら何らの補償が得られないという状況にあります。本件のように、加害者である上部被告人に支払い能力がないため全くの補償がないのです。このNさんが、コンコースで自動車にはねられて怪我をされている場合には、120万円の範囲で治療費が支払われ、後遺症の障害等級が5級と認定されれば1574万円の後遺症補償の保険金が支払われることになります。

犯罪被害者にも強制保険金なみの被害補償がされるよう犯罪被害者補償法を制定させよう!


【2001年3月25日】


犯罪被害者給付金支給されるも、         
    自動車損害賠償保険(強制保険金)の
         10分の1という低額に戸惑い! 


 上部被告の側から保険金の解約金1000万円を支払うということから、犯罪被害者等給付金支給法に基づく支払い金が、昨年2月に、漸く書類が受理をされましたが、9月初めに漸く支給されました。その支給金額は、刃物で刺されて亡くなられた方が高齢の方あるいは女性であることから、支給最高額の1079万円に遥かに及ばず300万円前後となっています。これでは、自動車損害賠償責任保険(強制保険)の死亡時の保険金3000万円の僅か10分の1という低額であり、余りの格差に唖然とする程です。
 ホームで刺されて亡くなったAさんの場合、損害算定すると大体3000〜3300万円(慰謝料についての考え方の幅があるからです。)程度になります。このAさんが自動車にはねられて亡くなられた場合には、自動車損害賠償責任保険(強制保険)を被害者請求をすると、査定事務所の調査をへた上で1300万円位が請求後遅くとも1月余で支払われます。そして、その金額に不足ありとして裁判を起こせば判決金額のうち既払の1300万円と合わせて3000万円までの支払いが強制保険からなされます。そして、総額3300万円の損害であると裁判所が判決すれば差額の300万円は、加害者からの支払いを受けることが出来るのです。
 ところが、犯罪被害者給付金は、このような支払いを加害者から受けると既に支給されている290万円を返還せよという念書を差し入れさせているので、遺族は、この支給金を返還しなければならなくなるのです。このような仕組になっているため、自動車にはねられて亡くなられた方の遺族は、犯罪被害者給付金の申請をされていないのです。

ホームで刺されて怪我をされた人には、
     治療費も後遺症も何の補償もされない
  


 ホームで刺されて怪我をされたNさんは、必死の努力で自分でタクシーを拾って病院に行き九死に一生を得られました。顔に大きな切り傷が残っている他内臓に障害があり、一年経った現在も通院を続けておられます。ところが、Nさんの後遺症は、顔の傷痕が顔面醜状て12級に該当しますが、内臓の障害の程度が判らないために、犯罪被害者給付金の対象となる四級以上の障害に該当しないとして申請をしても支給されないだろうといわれています。そのため、治療費についても国民健康保険を使って自己負担分の支払いをしながら何らの補償が得られないという状況にあります。本件のように、加害者である上部被告人に支払い能力がないため全くの補償がないのです。このNさんが、コンコースで自動車にはねられて怪我をされている場合には、120万円の範囲で治療費が支払われ、後遺症の障害等級が5級と認定されれば1574万円の後遺症補償の保険金が支払われることになります。

犯罪被害者にも強制保険金なみの
被害補償がされるよう犯罪被害者補償法を制定させよう!