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箱根駅伝のタブー「試走問題」にモノ申す! あの悲劇を繰り返すな
女編集者・花房麗子の「箱根裏物語」最終回
花房 麗子

箱根の「天敵」、現る

芦ノ湖の復路スタート地点は年々場所取りが激しくなっている。スタート地点(50mほどの直線)の脇には、1mほどの細い歩道があるが、ここは元旦の夕方から椅子やビニールシートで場所とりされ、いよいよ選手が通るときとなれば、もう立錐の余地もない。

1月2日早朝、凍結した場所取りのための椅子

箱根山中は人口の濃淡が激しく、2~3kmにわたって1軒の人家や宿泊地のないところもあれば、箱根駅伝のレース時には2重3重、なかには芦ノ湖フィニッシュや小涌園前のように5重の観客が押し寄せるところもある。「濃」のほうはそんな具合だが、さて「淡」のほうはといえば、そこにやってくるのは、これである。

上の写真は一号線から一本脇に入ったところで撮影されたもの。下は、箱根駅伝2日前に1号線で撮影したものだ。

にこやかに手を振る市民ランナーの右前に大きく掘り返された跡があるのがわかるだろうか。これは、猪がみみずなどを探して掘り返した跡なのである。現在、日本全国で害獣問題が深刻化しているが、箱根の山もまた、猪の巣といって過言でない。それどころか、この猪どもが、まったくもって人を怖がらないのだ。