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<台風10号>岩泉 仮設住宅入居始まる

仮設住宅に荷物を運び込む加藤さん=29日、岩泉町小本

 岩手県内で20人が死亡し、3人が行方不明となっている台風10号豪雨は30日、発生から2カ月となる。被害が甚大だった岩手県岩泉町では29日、被災住民が入居する仮設住宅の鍵の引き渡しが始まった。入居が決まった住民は早速引っ越したり、部屋の下見をしたりして新生活に備えた。冬本番を前に、被災者の生活再建が本格化する。
 引き渡しが始まった仮設住宅は、いずれも東日本大震災の仮設住宅を修繕した同町小本(おもと)地区の小本団地(32戸)と小成団地(20戸)。それぞれ31世帯と9世帯が入る。部屋は1DK、2DK、3Kの3タイプ。
 同町袰野(ほろの)の加藤セツさん(71)は、自宅が1メートル以上浸水し、台風後は2階で寝泊まりしていた。同日、小本団地の部屋に荷物を運び込み「新築ではないが十分きれいだし、壁が剥がれるなどした自宅よりも暖かい。元の生活に戻るにはまだまだ先が長そうですが、ほっとしました」と話した。
 町はさらに8団地204戸の仮設住宅を新設予定で、12月上旬の完成と年内の入居完了を目指す。災害公営住宅については入居の意向調査を実施し、本年度中に用地を選定する。
 町内の住宅被害は全壊435棟、大規模半壊234棟で、半壊以下を含めると計938棟に上る。29日現在、いまだ166人が避難所生活を続ける。
 岩手県全体の被害総額は1440億5729万円(26日現在)で、県内の大雨被害としては過去最大となっている。


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2016年10月30日日曜日


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