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【転機 話しましょう】(73)映画監督の行定勲さん つまずいた時こそ明日を考える 「影武者」で目覚め 挫折繰り返した
「これが僕の思う映画だ」。映画監督の行定勲さん(44)は、そう観客に示さなければ意味がないという信念の持ち主です。ヒットメーカーとして知られますが、挫折も経験してきました。しかし、不遇の時こそ、心がけていることがあります。それは「その後に何をやればいいのか」という次の一手を考えること-。(市川雄二)
デビュー作お蔵入り
「たぶん僕ほど不運な状況を経験している監督もいないと思う」。成功した映画人と思われているが、本人にすれば、つまずきの連続だったという。
デビュー作で早速つまずいている。平成9年撮影の「OPEN HOUSE」が、いきなりお蔵入り。配給元の社長らの解任騒動のあおりを受け、上映できたのは、10年に開催された第2回みちのく国際ミステリー映画祭のみ。まだ29歳。絶望したが、作品の魅力が幸運を引き寄せる。「映画祭を見に来ていたプロデューサーが気に入ってくださって、2作目の『ひまわり』につながった」
12年公開の「ひまわり」は、韓国の第5回釜山国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。「それを受けて、翌年の釜山映画祭を目指した日韓合作映画が『GO』で僕に白羽の矢が立った」
在日韓国人の少年と日本の少女の青春を描いた「GO」はアジアや欧州でも受け入れられた。その後「サヨナライツカ」のクランクイン直前には降板する不運に見舞われたが、「OPEN HOUSE」は完成から6年後に劇場公開され、ようやく日の目を見た。
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