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【群馬】

平地の3県境 新名所へ期待 合同測量調査で地点確定図る

3県の県境付近で自作の看板について説明する古沢満明さん=栃木県栃木市で

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 全国的に珍しい「平地の三県境」を新名所に−。群馬、栃木、埼玉の県境に接する三市町があいまいだった境界点を確定して観光客を掘り起こそうと、合同で測量調査に乗り出す。三県境は山間地や河川の中にあるのが大半で、簡単に踏破できる平地にあるのは珍しい。地元は「市や町を訪れてもらうきっかけになる」と期待を寄せている。

 三県境は板倉町、栃木県栃木市、埼玉県加須市に接し、東武日光線沿線の休耕田にある。栃木市によると、もともと渡良瀬川が県境だったが、明治時代の足尾鉱毒事件を契機に、改修工事で川の流れが変わり、県境が埋め立てられ陸地になって以降、三県の境界点がどこなのか正確には分からない状態が続いていた。

 数年前からテレビ番組などで取り上げられ、県境付近をまたいだり、地面に手をついたりして記念撮影する見物客が現れるようになった。住民から「平地に三県境ができた歴史的経緯も含めて調べてほしい」と要望があり、栃木市が測量を提案。三市町で調査費約百三十万円を分担し、二月に地権者も立ち会って測量する。

 板倉町は「三県境は全国で四十カ所以上あるが、ここは全国で唯一歩いて行ける平地」と“珍スポット”を強調した観光ビラを作成。そばに広がる渡良瀬遊水地や加須市の「道の駅きたかわべ」と相乗効果を狙う。

 境界点付近に「三県境」と記した看板を立てている栃木県側の地権者古沢満明さん(82)は「地元では当たり前になっているが、喜んでくれる人がいるならPRしないともったいない」と話している。

 

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