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【春高バレー】下北沢成徳・小川良樹監督(56) 将来見据え、自主性を尊重 

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【春高バレー】
下北沢成徳・小川良樹監督(56) 将来見据え、自主性を尊重 

 選手の笑顔に囲まれ、3度宙に舞った。「日に日に選手が変わり、伸びていく姿を見れたことが一番幸せ」。元全日本の大山加奈ら卒業生にも祝福され、熱いものを抑えられなかった。

 指導は選手の自主性を尊重する。「嫌々ではなく、バレーが楽しい、仲間と一緒だから頑張れると思っていた方が力も伸びるでしょう」という考えからだ。

 学生時代に全国大会とは縁がなかった。「指導者で頂点に立ちたい」と早大1年の時にコーチに就任した。当時は古豪八王子実践が圧倒的な力を持ち、有望選手は集まらない。勝つために猛練習練しても選手を退部に追い込むだけ。熱意だけが空回りしていた。

 強制的にさせないと何も始まらない。そんな中、忍耐強く、選手の変化を待つ方向へシフトしてから、少しずつ成績が上がり、同時に選手たちが自然に自主的に取り組むようになった。

 大山が在籍していた2002年に当時の「高校3冠」を達成した際、全日本ジュニアの監督に招集され、高校3年間だけでなく、将来を見据えた若手の育成を深く考えるようになった。

 筋力トレーニングによる体づくりは、けがをしないための基盤でもある。高校時代の大会がゴールではない。「卒業後も強く大きく育ってほしい」。その穏やかで厳しい視線はその遥か先を向いている。

 (青山綾里)

     ◇

 おがわ・よしき 1956年10月29日、名古屋市生まれ。早大学院高でバレー部に所属し、早大1年で成徳学園(現・下北沢成徳)コーチに。27歳で監督に就任し、2002年には当時の「高校3冠」を達成した。教え子には荒木絵里香、大山加奈、木村沙織ら全日本選手が多数。家族は妻との間に1男1女。

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