新宿梁山泊の秋公演では、李麗仙を主演に迎え唐十郎作『少女仮面』を上演する。

本作は、69年に早稲田小劇場で初演され、岸田國士戯曲賞を受賞した唐の代表作の一つ。宝塚のスターを夢見る少女・貝は老婆と一緒に、往年の宝塚のスター・春日野八千代を訪ね、とある地下の喫茶店にやって来る。時間が止まったような日々を過ごし、春日野に見初められ演技指導を受けたカイは、夢心地になるのだが……。

唐による独特の視線でつづる戦後史と、実存したスターをモチーフに描く少女論が展開する本作。30代、50代と年を経て春日野を演じ続けてきた李麗仙が、今回、集大成ともいえる『少女仮面』を送る。

そのほか、少女・貝に文学座の松山愛佳、彼女と旅する老婆に金守珍、そして、スターを求めて荒野をさまよう少女たちに三浦伸子、渡会久美子、鴨鈴女（南河内万歳一座）といったメンバーが参加。

さらに、美術を宇野亞喜良が手掛け、アングラ演劇のテイストを残しながら、幻想的でロマンチックアンダーグラウンドともいえる世界観をつくり上げるという。