五輪エンブレム使用中止へ 舛添都知事「佐野氏の信頼性失墜は免れない」
2015年9月1日13時9分 スポーツ報知
2020年東京五輪の公式エンブレムが、ベルギーの劇場ロゴに似ているとの指摘を受けるなど批判が高まっている問題で、大会組織委員会が佐野研二郎氏(43)デザインのエンブレム使用を中止する方針を固めたことが分かった。関係者が1日、明らかにした。
同日午後、組織委や東京都など開催準備に関わる組織や団体の代表者で構成する臨時の調整会議が開催され、今後の対応を緊急協議する。終了後、午後7時から組織委は記者会見する予定。
決定した五輪公式エンブレムの見直しが決まれば極めて異例の事態となる。メーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)に続いて、大会のシンボルが見直される。既に組織委スポンサーはエンブレムをテレビCMなどに使用しており、影響も予想される。
会議には組織委の森喜朗会長、遠藤利明五輪相、東京都の舛添要一知事、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長らが出席する見通し。
エンブレムは五輪開幕まで5年となった7月24日に東京都庁で発表された。しかし、ベルギーのリエージュ劇場のロゴを制作したデザイナーが「驚くほど似ている」と指摘し、劇場側は8月14日、国際オリンピック委員会(IOC)を相手に使用差し止めを求めて地元裁判所に提訴したと発表した。
一方、佐野氏は同14日、自身の管理の下で制作したサントリービールのキャンペーン賞品に、他の作品の模倣があったことを自身のサイトで認め、謝罪。エンブレムについては「模倣は一切ない」と主張した。しかし、他の作品にも似ているものがあるとの指摘が相次ぎ、舛添知事が「彼(佐野氏)の信頼性失墜は免れない」と主張するなどイメージダウンが懸念されている。