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【東日本大震災】

大震災 九段会館死傷事故 管理者の立件見送り

 東日本大震災で九段会館(東京都千代田区)のつり天井が崩落し、二人が死亡し三十一人が重軽傷を負った事故で、警視庁は八日、会館を管理していた日本遺族会の当時の会長の古賀誠元衆院議員(73)と支配人の男性(60)について業務上過失致死傷容疑での立件を見送る方針を固め、起訴を求めない意見書を付けて東京地検に書類を送付した。

 捜査一課は、事故当時、つり天井についての明確な法定の耐震基準がなく、遺族会は国が定めていた範囲の定期検査は行っていたとして、二人の予見可能性は問えないと判断した。

 九段会館では二〇一一年三月十一日午後、震度5強の揺れに見舞われてつり天井の一部が縦三十メートル、横五メートルにわたり崩落。東京観光専門学校(新宿区)の卒業式に出席していたいずれも五十代の非常勤講師の女性二人が死亡、生徒や職員三十一人が負傷した。遺族らは同年五月、安全管理に問題があったとして業務上過失致死傷容疑で二人を刑事告訴。警視庁が捜査していた。会館は一九三四年に建設され、二〇一一年四月に閉館している。

 遺族会は「捜査の内容が分からないので、立件見送りについてコメントしないが、被害者の補償対策を第一に進めていきたい」としている。

 東日本大震災では、都内でほかに町田市の大型スーパーの駐車場スロープが崩落して八人が死傷する事故があった。警視庁は設計ミスが事故につながったとして、業務上過失致死傷容疑で一級建築士四人を書類送検している。

 

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