TETSUYA(L'Arc~en~Ciel)が、自身のオフィシャルファンクラブ「CÉLUXE」の発足を記念し、7月23日に大阪のなんばHatchにてソロライヴを開催した。「CÉLUXE NIGHT」と銘打たれたこのライヴはFC会員限定で行われ、大阪でのソロライヴは約5年ぶりとあって、コアなファンがなんばHatchの会場を埋めつくした。

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ステージには黒地に白の「CÉLUXE NIGHT」のロゴが掲げられ、シンプルでシックだ。開演前から幕が開いており、ステージを確認できたこともあって、ファンの期待が最高潮に達した19時すぎ、いよいよバンドメンバー、そしてTETSUYAが登場した。

白いTシャツにトリコロールカラーのパーカーをはおり、下はジーンズ、といったカジュアルないでたちのTETSUYAの姿が新鮮だ。悲鳴に近いファンの歓声の中、始まった1曲目は「Fantastic Wonders」。黒を基調としたステージが、一瞬で華やかな光に包まれる。TETSUYAの声はしょっぱなから伸びやかで声に深みが増したように感じられる。


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「世界を変えるために僕は生まれてきたよ」――まさに歌詞の通りの世界が広がる。TETSUYAという稀有なアーティストが今、この会場にいるファンの世界を変えようとしている。続いて激しい光の点滅の中、恍惚とした気持ちにさせられる「EDEN」、きらびやかでメロディアスな「Can't stop believing」が、春の日差しのように会場を包み込む。ファンをのぞき込むように歌うTETSUYAに悲鳴があがった。

叙情的で厳かな「empty tears」では、最後の1フレーズでステージが真っ暗になり、TETSUYAだけをスポットライトが照らし出す。1stアルバムの曲だが、ソロ活動も14年目を迎え、当時よりも声に深みが増したぶん、世界観に引き込まれる。続く「guilty」では流れるような高音に、どこか遠くに連れて行かれそうな気持ちになる。バンドのグルーヴを感じることのできる名曲。サビでは、ファンにマイクを差し出し、歌わせるシーンも。ステージぎりぎりまで来たTETSUYAとは触れられそうな距離で、ファンの顔に満面の笑みが浮かぶ。


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拍手がまきおこり、ファンからのTETSUYAコールが響く中、最初のMC。「大阪、ただいまー! お元気ぃ? ワッショイ~! 僕のファンクラブ、みなさん入ってくれたの? おーきに! なんて読むのこれ? せりゅ、せりゅ? セリュックス? 略して?(笑)」

会場からの笑い声にTETSUYAも笑顔だ。「今日はね、普段着。こんな恰好でステージ立ったことないんちゃう? いつもはキュッとした細身のパンツでしょ。今日はほんと山登りに行こうかなと思って」会場から「かわいいー!」の声が飛ぶ。「今日はアットホームな感じにしようと思って。今日のライヴはすべてが急に決まったから、グッズの点数少なくて。せめて新曲でもと思って! ブログでも書いたんですけど、歌詞が間に合って。ほんとにいろんなことを思いながら作った曲です」

と歌い始めるかと思いきや、「ちょっと待ってな、これどうやって入るんやっけ?」とファンを笑わせる。「なんかかっこいいこと言ってからはじめよっか?(歌始まりの曲のため)……(低くしゃがれた声で)『お前ら最高。お前たちのために新しい曲を用意してきたぜ』とか言ったあと静かにして! そしたら始めるわ」と確認。

ちゃめっ気たっぷりに始まった新曲「何があっても」は、キャッチーなメロディーがとてもTETSUYAらしい、王道のライヴソングだ。歌詞が映し出され、聴き入るファン。彼特有の優しくストレートに心に響く歌詞が並ぶ。ファンひとりひとりと目線を合わせようとするかのように客席全体を見渡したTETSUYAは、マイクを客席に向かって差し出し、大合唱が始まった。


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つい先日できたばかりの曲とは思えない完成度。ライヴでずっと歌われてきたかのようだ。約束されていた「みんなでの大合唱」。有言実行のTETSUYAらしい。曲が終わると、ファンから大満足の悲鳴があがった。

そして続く「lonely girl」! これぞTETSUYAワールド! 生で聴くからいっそう良いこの曲は、TETSUYAにしか絶対に作れないし、歌えないと思う。あたたかい光に満ちた空間が広がる。左右に揺れながら曲の世界にのめりこみ、泣き出すファンもいる。ここにいる誰もが、今抱えている悩みも、明日への不安もきっと忘れている。

「またひとつ明かりが消えて  見上げる空に煌めくShooting star」

会場
に満点の星空が広がったかのような感覚に陥る。一瞬、水を飲むためにファンに背中を向けたときでさえ、TETSUYAの後ろ姿が優しく見える。会場中を染め上げた虹色の光の中、「マナーが良い」とTETSUYA自身が言うファンたちは、本当にひとりひとりがお互いのスペースを守って、ライヴを楽しんでいる。

「魔法の言葉」では、TETSUYAがギターの中村 佳嗣をステージの前に押し出して、肩を組む。ファンから笑みがこぼれた。

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そして、始まった前奏に場内からどよめきがあがった。「Time goes on」!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
L'Arc~en~Cielの人気曲だ! L’Arc~en~Cieのときと同じように、揺れ動き、腕をTETSUYAに向かって差し出すファンたち。サビのときにはオレンジ色の光が客席を照らし、ステージと会場がひとつになる。


「きっと君が選ぶ道の先にはまばゆい光が溢れている 君
のためなら道化師になって歩いて行くよ  その笑顔消さないで」

歌詞が、TETSUYAからのファンへのメッセージのようだ。時間があの頃へと巻き戻る。ここがどこでいつなのか、わからなくなりそうな……。

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演奏終了にわきおこる拍手と歓声。TETSUYAを呼ぶ声がやまない中、2度目のMC。

「どないやねん?新曲どう?」ファンが「難しかった!」と叫ぶ。「難しかったよね。さっきの曲(「Time goes on」)もキー高かった。ひさしぶりにやりました、この曲。新曲もありーのひさしぶりのラルクの曲もありーの。ファンクラブ入っててよかった!?  ほんま? 入ってよかった? ふふふ」

「ずっと続けてねー!」というファンの叫び声にも笑顔で応える。「そりゃあね、ファンクラブ作ったわけですから。やりますよ、腰が曲がるまでね。いや髪の毛のことは言わんとこうと思って。別にスキンでもええんちゃう?」

客席を笑わせたあと始まったのは「WHITE OUT」。TETSUYAの手拍子に合わせ、会場中が腕を振り上げ手拍子する。続く、「Are you ready to ride?」 では、おなじみの黒いスーツのダンサー、Bananaman Brothersの2人が登場してさらに客席を盛り上げた。ベースのIKUOとギターの中村 佳嗣も並んで演奏し、ファンに笑みを向け、メンバーみんなが演奏を楽しんでいる様子が伝わってくる。

踊り出すファンに、ラメのついたバナナ型水でっぽうで水を飛ばすTETSUYA。メンバーと客席みんなで曲に合わせてジャンプし、会場中に笑顔があふれる。今は大人であることを脱ぎ捨てていい時間。TETSUYAの少年のような姿にファンたちも童心に帰ることができるのだろう。

ファンたちと合唱し、会場中の熱がこれ以上ないほど上がったところで本編は終了した。
1秒たりともやまないファンからの「アンコール」のあと、登場したのは……

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お笑い芸人“トレンディエンジェル”! L'Arc~en~Cielのモノマネなどでも人気の芸人だ。L'Arc~en~Cielの大ファンだという斎藤 司が「LOOKING FOR LIGHT」を歌い上げ、須藤 敬志は特技の完璧なオタ芸で会場を盛り上げた。


「行くぜー!なんばー!」あおりもバッチリの斎藤 司は、トレードマークの禿げ頭をなでつけながら歌い、会場の笑いを誘う。曲の途中で、TETSUYAが登場。斎藤 司とのツインヴォーカルに。

 
「まばゆい光に導かれ」という歌詞を斎藤 司の頭を指さしながら歌うTETSUYAはとても楽しそうだ。

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「今日はまたなんで?」と問うTETSUYAに「いや、ちゃんと大人の段取りを踏んでここにいるでしょ」とつっこむ斎藤 司。

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 「じゃあもう1曲!」とアカペラで歌われた「READY STEADY GO」では、会場中が手拍子で大盛り上がりをみせた。「最高の演奏でした!」と最後にバンドメンバーに向かって言って去る斎藤 司に、「最高の演奏でしたって。プロに(笑)」と苦笑いするTETSUYA。

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続けての「Roulette」 では、ファンがタオルを振り回し、会場中にカラフルなタオルが舞った。そこに伸びやかに映えるTETSUYAの歌声。演奏を途中でストップさせる、いつものパフォーマンスでは、1分を経過したのではと思われるほど止まったままで、会場からどよめきが起こった。そして我慢しきれずふらついたTETSUYAは、IKUOの股間を指でちょんちょん、とつついて演奏再開。そこからギターソロを経てサビを歌い始め、通常のテンションに戻るのがさすがだ。力の限り踊るファンたち。曲の終わりに大歓声があがった。

アンコールの終わりは「15 1/2 フィフティーンハーフ」。後ろの幕が開き、星空のようなバックが広がる。


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ジャケットを脱いだTETSUYAは、客席に語りかけるように、1音1音をかみしめるように歌う。ライヴの始まりは春の日差しの下、そして今は夏の夜空に包まれている。TETSUYAのライヴ空間の中にいると、何かに守られているような感覚になる。

「眩しくて見えないよ 大人には何も」

この曲の歌詞のように、子どものころの感覚に戻ることができるからかもしれない。きっとTETSUYA自身が、どこか、大人になりきらない、子どもの心をなくさない人だから。
だからこの空間はこんなにもあたたかい。ここは、ファンたちが帰る場所。ファンクラブのことをTETSUYAが「ホーム」と呼んだように。1ミリの曇りもない、優しい世界をTETSUYAは見せてくれる。

「ずっと見守ってね」

彼の声が会場の後ろまで、響き渡り、きらめきが満ちる。観客全員の心の中に、何かが生まれて、そして旅立っていく。一瞬の暗転のあと、光に照らされたTETSUYAの姿は神々しくすらあった。

ステージを去るメンバー。ここで終わりかと思いきや……。どこまでもエンターテイナーなTETSUYAは、最後にとんでもないビッグプレゼントを用意してくれていたのだ。


始まったSEに小さな悲鳴があがる。そして、現れたのは、L’Arc~en~Ciel初代メンバーのhiro(ギター)とpero(ドラム)だった!

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始まった曲がhiro作曲のインディーズ時代のL’Arc~en~Cielの曲「I’m 
in pain」だとわかるファンから悲鳴があがる。TETSUYAはもちろんベースを弾いている。ファンの歓声に「してやったり」という顔。

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「こんばんは。初代L’Arc~en~Cielです。そして初代ドラマーperoちゃん! 初代ギタリストのhiro! L’Arc~en~Cielのtetsuyaです。知ってる? 今の曲?」

問いかけるとすぐさま「知ってる!」という声が。 「SEも当時使ってたやつを流したの。難波ロケッツでやってた頃のやつね。5日くらい前に思いついて、急に無茶ぶりしたのに、ふたりだけでリハスタに入って今日来てくれました」と語るTETSUYAは本当に楽しそうだ。23年ぶりに一緒に演奏した、というTETSUYAの言葉に会場から拍手が起こる。

続いて演奏された「DUNE」ではベースをIKUOに代わり、TETSUYAが歌う。hiroの肩を抱き、歌うTETSUYA。 

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感無量の演奏を終え、hiro、peroはTETSUYAと固く抱き合い、ステージを後にした。
 

「最後に、もう1回、Juicy-Bananasに出てきてもらおうか。これからもね、10年20年30年と続けていきたいと思います。そんなみんなのために用意した曲です。最後いくよ? 聴いてください。『何があっても』」
みんなで歌う、2度めの大合唱。1度目よりもさらにファンの声はそろって、楽しさに飛び跳ねる人もいる。メンバー全員が笑顔だ。ここにいる全員が家族のようで、一体感なんて言葉を飛び越えた、強いつながりを感じた。

きっとここにいる全員が、今日のこの夜を糧に生きていくんだろうと思う。辛いことがあったとき、必ず思い出す、この幸せにあふれた場所のことを。TETSUYAがくれたホーム。私たちは今日、帰る場所を手に入れた――。 

天井をつきぬけそうな程の大きな大合唱が、演奏が終わってもしばらく耳の奥から消えなかった。

最後に12月23日に「グランドプリンスホテル新高輪」で初のディナーショーを開催することをファンに告げた。そして、おなじみのバナナを投げた。

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最後に手をふるTETSUYAの笑顔がまぶしかった。

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TETSUYAさんの直筆サイン入り「CÉLUXE NIGHT」公式グッズを3名様(女性用Tシャツ2名様、タオル1名様)にプレゼントします
応募は、V.I.P. Pressの公式Twitterアカウント「@line_blog」をフォローして、このツイートを公式リツイート(RT)すれば完了



セットリスト 「CÉLUXE NIGHT」
2015.07.23 なんば Hatch


01.Fantastic Wonders
02.EDEN
03.Can't stop believing
04.REVERSE
05.empty tears
06.guilty
07.何があっても
08.lonely girl
09.TIGHTROPE
10.魔法の言葉
11.Time goes on
12.WHITE OUT
13.Are you ready to ride?

14.LOOKING FOR LIGHT
15.Roulette
16.1/2 フィフティーンハーフ

17.I'm in pain
18.DUNE
19.何があっても




■<TETSUYA LIVE 2015 “THANK YOU”>
2015年10月4日(日) 東京 Zepp DiverCity TOKYO
OPEN 16:00 / START 17:00

【チケット】
1F立見¥6,900(tax in) ドリンク代別¥500(tax in)
一般発売:8月2日(日)

■Christmas Dinner Show開催決定!
2015年12月23日(水) グランドプリンスホテル新高輪
※詳細は後日発表します

■TETSUYA OFFICIAL FAN CLUB「CÉLUXE」(セリュックス)
【入会金】¥1,000 (tax in)
【年会費】¥4,000 (tax in)
【会員特典】会員証発行、会員限定コンテンツアクセス権、ライヴチケット優先予約、会員限定イベントへの参加、MEET&GREET PARTYへの参加、会報、オリジナルグッズ販売など

TETSUYA 公式ブログ


(撮影/古石洋平、取材・文/Mikity)