新藤前総務相:硫黄島戦参加の元米中将と握手 米議場で

毎日新聞 2015年04月30日 10時12分(最終更新 04月30日 12時03分)

安倍晋三首相の演説で紹介され、握手を交わす新藤義孝前総務相(左端)とスノーデン元米海兵隊中将。安倍昭恵夫人(右から2人目)とケネディ駐日米大使(右端)が見守った=米議会で29日、ロイター
安倍晋三首相の演説で紹介され、握手を交わす新藤義孝前総務相(左端)とスノーデン元米海兵隊中将。安倍昭恵夫人(右から2人目)とケネディ駐日米大使(右端)が見守った=米議会で29日、ロイター

 【ワシントン西田進一郎】安倍晋三首相は29日の米議会演説で、1945年の硫黄島の戦いに参加したローレンス・スノーデン元米海兵隊中将(94)と、硫黄島守備隊司令官を務めた栗林忠道陸軍大将の孫に当たる新藤義孝前総務相(57)を紹介した。かつて戦火を交えた日米の和解の象徴として紹介された2人は傍聴席で握手を交わし、議場の出席者が総立ちとなって2人に拍手喝采を送った。

 首相は第二次世界大戦に触れた中で、傍聴席に並んで座った2人を紹介した。日米合同慰霊祭にたびたび出席してきたスノーデン氏の「硫黄島に行っているのは勝利を祝うためではない。その厳かなる目的は、双方の戦死者を追悼し、栄誉をたたえることだ」との言葉を引用。2人が同席する姿を「これを『歴史の奇跡』と呼ばずして、何をそう呼ぶべきか」と語った。さらに「熾烈(しれつ)に戦い合った敵は、心の紐帯(ちゅうたい)が結ぶ友になった」と話すと、スノーデン氏と新藤氏が握手を交わした。

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