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 患者の死亡事故があった東京女子医大病院(東京都新宿区)と群馬大病院(前橋市)について、高度な医療を提供できる「特定機能病院」の承認が取り消される見通しとなった。厚生労働省の社会保障審議会医療分科会が両病院の安全管理体制が不十分と判断、早ければ今月末にも「承認取り消し処分が相当」とする意見をまとめる。

 東京女子医大病院では昨年2月に人工呼吸器をつけた2歳男児が原則禁じられている鎮静剤のプロポフォールを大量使用された後に死亡。群馬大病院では腹腔(ふくくう)鏡による肝臓の切除手術を受けた患者8人の死亡が昨年11月に発覚した。

 医療分科会は今年2月から、両病院が特定機能病院としてふさわしいか検討。今月14日までの審議で、委員からは「再発防止策が不十分だ」「病院幹部の統治が機能していない」と厳しい指摘が出ていた。分科会の意見がまとまれば、厚労省が病院側から意見を聴くなどした上で、厚労相が取り消しを正式に決める。

 両病院の承認が取り消されれば、計4例となる。東京女子医大病院は2回目。

 特定機能病院は400床以上、15以上の診療科、医師や看護師らの配置を手厚くすることなどが条件で、厚労相が承認する。現在、大学病院を中心に計86病院ある。