フレッツ光メンバーズクラブ(会員プログラム一覧)

大人の心得帳

B-Style ビースタイル

家族で盛り上がる 福を呼び込む、節分

  • 節分を紐解く
  • 気になる「恵方巻き」事情

気になる! 「恵方巻き」事情

ここ数年で、すっかり新習慣として定着してきた「恵方巻き」。無病息災や商売繁盛をもたらす行事食といわれますが、そのルーツや、「無言でひたすら食べる」というルールは、何に由来しているのでしょうか?ほかにも、地域独自の行事食などをご紹介します。

「恵方巻き」は何を意味する食べ物?

恵方とは、その年の歳徳神*(としとくじん)のいる方角のことで、その年の最も良いとされる方角を意味します。節分にその年の恵方を向いて太巻き寿司を食べると、願い事が叶ったり幸運に恵まれ、無病息災や商売繁盛をもたらすとされています。さらに、縁起よく七福神にちなんで7種類の具を入れ、福を巻き込んだ太巻きを食べると良いとされ、福を逃さぬよう包丁で切ったり、途中で喋ったりしてはいけないといわれています。また、太巻きを 鬼の金棒(逃げた鬼が忘れていった金棒)に見立てて、鬼退治ととらえる説もあります。
起源は諸説ありますが、大正初期には大阪で「海苔巻きを恵方に向かって食べる」という風習がすでにあり、その後も大阪の商人や花街を中心に、商売繁盛を願って食べる物として恵方巻きを広めるような動きがあった、といわれています。
全国区に広まったのは、大手コンビ二チェーンやスーパーが販売を開始してから。今や、豆まきにとってかわる勢いで、節分の新定番としてのポジションを築いています。地方によっては、「丸かぶり寿司」「恵方寿司」など呼び名が異なるそうです。

*陰陽道でその年の福徳を司る神のこと

「恵方巻き」の食べ方

1 太巻きをひとりにつき1本準備する

福を巻き込むことから巻き寿司を用意します。
縁を切らないよう包丁を入れずに丸ごと1本で、いただきましょう。七福神にあやかり7種類の具が入った太巻きが望ましいといわれています。

2 恵方を向く

恵方とは、その年の歳徳神(としとくじん)のいる方角のことで、
その年の最も良いとされる方角です。2013年の恵方は「南南東」です。

3 願いごとをしながら、黙々と最後まで食べる

しゃべると運が逃げてしまうので、食べ終わるまでは絶対に口をきいてはいけません。

ほかにも色々!節分の行事食

節分の行事食の風習は、地域によって多少異なります。その一部をご紹介します。

鰯(いわし)

節分の日に、鰯が食卓に並ぶご家庭は多いのでは?これは鬼の嫌いな「臭い鰯の頭」で鬼退治をする「焼嗅(やいかがし)」という風習に由来しています。詳しくは、下のマメ知識を参照ください。

こんにゃく

四国をはじめ全国各地で、節分にこんにゃくを食べる風習があり、これを「砂おろし」といいます。昔の人はこんにゃくを「胃のほうき」「腸の砂おろし」と呼び、大晦日や節分、大掃除のあとなどに食べていました。

けんちん汁

関東地方では節分にけんちん汁を食べる例がみられます。けんちん汁は昔は冬のお祭りなどの行事食としても親しまれていましたが、こうした行事がすたれてしまったため、節分=けんちん汁が残ったものと思われます。

マメ知識

魔除けにもなる、節分ならではのディスプレイ

「豆」、「恵方巻き」に続き、節分の行事食として知られる「鰯(いわし)」。これは、鬼が鰯の生臭い臭いが大の苦手といわれることに由来しています。もうひとつ苦手とされているのが、柊(ひいらぎ)の痛いトゲ。この2つを組み合わせたものが、「鰯柊」「柊鰯」「柊刺し」と呼ばれる風習です。
鰯の頭を焼いて臭いを強くしたものを柊の枝に刺し、それを玄関先にとりつけて、鬼が入ってこないようにする、という意味合いがあります。昔から、臭いの強いもの、トゲのあるものは魔除けや厄除け効果があるとされいるのだそうです。
今では玄関先で見かけることも少なくなりましたが、節分のディスプレイには欠かせません。

和文化研究家、ライフコーディネーター
三浦 康子

わかりやすく楽しくをモットーに、古を紐解きながら今の暮らしをライフアップさせる方法を提案している。テレビ、ラジオなど各メディアの登場回数は2500を超え、All About「暮らしの歳時記」ガイド、キッズgoo「こども歳時記」ナビゲーター、お正月ニッポンプロジェクト「お正月大学」教授もつとめている。著書『粋なおとなの花鳥風月』(中経出版)、監修書『もっと!暮らしたのしむなごみ歳時記』(永岡書店)などがある。

 

三浦康子公式HP http://www4.ocn.ne.jp/~wabunka/

お話を伺った人

和文化研究家、ライフコーディネーター 三浦康子さん

文:編集部

  • 2

NTT東日本とBunkamuraがお届けする、ウェブマガジン「B-Style ビースタイル」

ページトップ