【動画】フリーゲージトレインの耐久走行試験を公開=奥正光撮影
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 2022年度の開業をめざす九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)で使われる「フリーゲージトレイン」(軌間可変電車、FGT)の耐久走行試験が19日、熊本県八代市のJR新八代駅付近で報道陣に公開された。走行して性能を確認する試験は今春から九州新幹線(熊本―鹿児島中央)と鹿児島線で営業時間外に実施。この日からは新幹線、軌間変換、在来線を繰り返す「3モード耐久走行試験」へ移行。昼間も走行するという。

 車両は、レール幅が異なる新幹線(1・435メートル)と在来線(1・067メートル)双方を走行可能。新八代駅付近の接続線に車輪の左右間隔を変える「軌間変換装置」があり、装置上をゆっくり走行、前へ進む力を利用して車輪の幅を変える様子が公開された。

 2017年3月ごろまで計約60万キロを走って試験する予定。国土交通省鉄道局の岸谷克己・技術開発室長は記者会見で「試験車両は最高時速270キロを達成し、300回を超える軌間変換をしている。2年半の耐久走行試験は重要で、(長崎ルートの)開業に間に合うよう着実に進めていきたい」と述べた。(奥正光)