政治・経済

 霞が関で鯨肉料理ブームが来るかもしれない?

 9月2日に自民党本部で開催された党捕鯨議員連盟の総会で、二階俊博衆院予算委員長が吠えた。農林水産省内の食堂で鯨料理がメニューとなっていることを例に挙げ、「鯨を食べる文化がすたれている。自民党(本部)にも食堂があるのだから、ここで鯨肉の料理を出せるようにして、鯨のPRをしろ」と求めたのだ。

 驚いたのは会の終了直後、すぐさま党本部の食堂のコックを呼び出し、「すぐにでも鯨料理を出してほしい。出せないようなら業者を替える」とまで迫った。党の重鎮の発言ということもあり、会場内は異様な緊張感に包まれる。さらに、出席していた外務省の斎木尚子経済局長を呼び止め、「まずは外務省の食堂で鯨肉を提供してくれ」と注文をつけた。急な注文に斎木経済局長も「業者に相談してみます……」と苦笑いするのが精いっぱいだった。

 「捕鯨を守るために、具体的な行動を常に起こさないといけない。(鯨肉を食べられるよう)いろいろなところに行ってお願いしたらいい」。二階氏の独壇場のまま会は終了した。

 二階氏は4月、南極海での日本の調査捕鯨が国際捕鯨取締条約に違反するとした国際司法裁判所の判決を受け、「政府の対応は甘い」と怒りをぶちまけてもいる。捕鯨文化を守る気持ちは人一倍強い。党捕鯨議連の鶴保庸介幹事長代理によると、「9月中には自民党、外務省で鯨が食べられるようにします」とのことで、今後は霞が関内の各省庁の食堂で鯨肉料理を食べられるよう働き掛けていくという。

 ちなみに、前述のように農水省北別館1階にある食堂「咲くら」では、鯨肉料理を提供している。メニューも「イワシ鯨ステーキ膳」(1千円・税込み)や「じゅ〜し〜鯨特性カレー」(800円)、「鯨竜田揚げ」(380円)など豊富だ。ただ、農水省職員の間では「気軽に食べるには、ちょっと値段が高い」との声もあるようで、鯨肉料理の普及にはコスト面の課題もあるようだ。

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