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スポーツ
【「体罰」を考える】(14)障害持つ子との対峙が私を変えた スポーツ指導「命と向き合っている」認識を 丸山健治さん
「亡くなられた選手の無念さを思い、同じバスケットボールの指導者として非常に心が痛く、やるせない気持ちでいっぱいです」。大阪市立桜宮高校の問題を受け、一人のバスケ指導者からお便りが届いた。女子日本リーグ・荏原製作所(現・エバラヴィッキーズ)の元ヘッドコーチ、丸山健治さん(57)=横浜市。国内トップレベルでの指導のほか、中学教員の経験もある丸山さんは、指導者の心情を踏まえつつ「子供たちの自己表現の場を『暴力』という非道な権力手段で奪うことは決して許されない」と訴える。
丸山さんは、学生時代に日本トップクラスのチームで活躍した後、大阪府東大阪市の市立中学校で教員を務め、バスケ部を指導。その後、大学や短大、社会人のチームを率いて優れた成績を残した。
中学教員となったのは、校内暴力が社会問題化していた昭和50年代。当初はもどかしさが先立ち、バスケで暴力的な指導をすることもあったが、ある男子生徒との対峙(たいじ)をきっかけに、自らの「未熟さ」を恥じた。
練習中にミスを重ねる1年生。「なぜ?」と怒りがわき、ときにはボールを投げつけたりした。理由が分かったのは約2年後。生徒の母親から涙ながらに感謝されたことからだった。
(次ページ)経験積んだ指導者ほど孤独…陥る“心の闇”
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