杏さん、東出昌大さん、キムラ緑子さん、高畑充希さん、和田正人さん、茂山逸平さん、菅田将暉さん、前田亜季さん、山中崇さん、中村靖日さん、松浦雅さん、千原せいじさん、吉行和子さん、宮崎美子さん ほか

予告動画

キャストインタビュー 建築家・竹元勇三役(ムロツヨシ)

「お母さんみたいに、誰かをアホみたいに好きになってみたい」
そんな泰介の夢がついにかなうのか!?

 なんと泰介が初恋をするというエピソードから動き出すんです、このドラマ。そういえば、かつて母・め以子と泰介の会話で「あんたはおらんの?以心伝心のお嬢さんとか」「おればええんやけどなぁ」というくだりがあったり、源ちゃんに「おねえちゃんとこ連れてったるさかい」なんて言われて動揺したり(笑)。確かにこれまで、泰介には浮いた話がなかったんですよね。なので実際に台本を読むまで、あれこれ想像を膨らませていました。例えば和枝さんの女中・ハナちゃんとか、「ごちそうさん」の撮影で若い女性と出会うたびに「もしかしてこの人と……!?」なんて勝手に考えたり、まるで思春期みたいにアンテナを張り巡らせて(笑)。
 泰介っていつも周りを気にしたり、誰かのためにあえて明るくふるまったり、気を遣う性格が染みついているんですが、このドラマではそれが解き放たれている気がします。泰介だって普通の男の子だし、時代が時代ならしたいことがいっぱいあったはず。「お母さんみたいに、誰かをアホみたいに好きになってみたい」って言っていた泰介の思いが、ひとつかなった気がしてうれしいですね。「ごちそうさん」とちゃんとつながっているスピンオフドラマだと思います。

まるで疾走するようなコメディ感!
おなじみの愉快な仲間が「うま介」で大騒ぎ。


 ドラマの舞台となるのは、おなじみの喫茶店「うま介」です。西門家ではいつも正座だったのですが、すっかり洋式の生活になじんでいる僕自身としては、うま介の椅子がラクでいいですね(笑)。
 そしてうま介と言えば、源太さん、室井さん、馬介さん、桜子さん。あのおなじみの面々が登場します!みんなを統括するような桜子さんがいながらも、三人の男たちは相変わらずの大騒ぎっぷり。なかでも室井さんは、あの穏やかな泰介がはじめて敵意を見せるほどです(笑)。この三人のキャラクターって役者目線ではおもしろくて仕方ないけれど、泰介にしてみたら「もう、何なんですか……」のひと言ですよね。室井さんなんて50歳を超えてるんですよ?(笑)。
 そういうわけで、このあたりのコメディ色がたまらなくいいです。セリフの言い回しとか間とか、リハーサルと本番で、みんな毎回ちょっとずつアレンジが違うんですよ。「さっきよりもっとおもしろく」という空気が現場にあって、そのハードルを軽々と越えていく。もちろんカメラ位置も把握した上でやるから、かなり手強いプロです(笑)。そのために、室井さんがいろんな変顔を試していたり、馬介さんが壁に向かって泣いてたり、先輩の役者さんたちがひとりで練習しているのがおかしくてほほえましいです(笑)。これはもちろん、「ごちそうさん」で築いてきたキャラクターが、役者の体に染みついているからこそできることなんですけどね。
 ドラマの流れとしては、ひとつのシチュエーションで長いシーンが多いのも特徴ですね。撮影では、実際のセットで動きながらセリフの流れを覚えて、みんなでお芝居を作っていく感じがありました。そんな結束力から生まれた臨場感を味わってもらえるといいですね。

恋する泰介は、め以子ゆずり。
不器用に突っ走る姿を見守ってください(笑)。

 今回のドラマで、泰介の新たな発見もいっぱいありました。ひとつは、「泰介ってこんなに叫ぶんや!」ということ(笑)。いつも人に対してあったかく接したいと思って演じていたので、これまでは声のトーンを控えめに、柔らかくしてたんですよ。それがこのドラマでは自分の気持ちに素直に、なりふり構わず言葉を使う泰介がいるので、なんだかすがすがしくて新鮮です。
 そして、ずっと優等生で“正しい道”を歩き続けてきただけに、恋におぼれるとこうも周りが見えなくなるのかという驚きも(笑)。泰介は人の話にはちゃんと耳を貸しますけど、意外と信念は曲げないんですよ。それが恋となると、とてつもなく不器用に突っ走ります。そんな単純な感じがいとおしいですね。
 泰介の言葉運びってどこか父・悠太郎にかぶるし、22週で「和枝おばさんのところへ行くで!」とお母さんに言ったような大胆な行動を取るのは母・め以子ゆずりだなと思うんです。そういう意味では、恋する泰介はいっそうめ以子らしいかもしれないですね。
 例えば、「んふふふふ……」と恋にわずらう泰介の感じは、ちょっとお母さんを意識しました。20週でふ久が「諸岡くんの子どもが産みたい」と言い出した後の食卓のシーンがふと頭に浮かんだんですよね。ふ久をいさめる悠太郎の言葉で、悠太郎とめ以子のなれそめを思い出したおばあちゃんに、「もうやめてくださいよぉ」という母の姿が。あと、「うちの嫁さんはごっつぅかわいらしいんや!」って父に言われた時の「ぐふふふふ……!」という感じとか(笑)。とはいえ、不器用で空回りする感じは、やはり父・悠太郎ゆずりですけどね。

スペシャルゲストは千原せいじさん。
そのいとおしいキャラクターに、乞うご期待!

 もうひとつのお楽しみは、お笑い芸人の千原せいじさんが特別ゲストとして出演してくださったこと。間違いなく、コメディ色を底上げしてくれてます!
 いやね、本当にすごいんですよ。千原さんとのあるシーン撮影の時、僕らが先にカメラなしのリハーサルを終えてから千原さんをお迎えして、合同のリハーサルに入ったんです。だから僕らだけほぼセリフを覚えていて、千原さんはまだ台本を読みながら、という状態だったんです。その後、千原さんが東出さんに話しかけて、「みんなもうセリフ覚えてんの?」「そうですね」「え〜、そうなんや!」ってやりとりがあったりして。つまりその段階ではまだ頭の中に100%のセリフが入っていないはずなのに、いざ本番となったら、長いセリフも完璧に演技されるんですよ。
 さすがお笑いの舞台で鍛えておられるだけありますよね。セリフの間合いも絶妙で、とにかくリアルですごくいとおしいキャラクターになっていて。頭で演じるというより、体から素直ににじみ出ている感じでした。そりゃあもう、笑いをこらえるのは大変でしたけどね(笑)。

まるでお祭りのようなスペシャル感。
「ごちそうさん」の世界観がこのドラマにぎっしり!

 こんなコメディ要素たっぷりのドラマですが、「ごちそうさん」の回想シーンもたくさん出てきます。会話の流れからなつかしいシーンが出てくるので、当時はいち視聴者として観ていた僕にとってもラッキーな感じです(笑)。みんな歳を重ね、白髪も増えて、服装も変わってきているし、時代の移り変わりをすごく感じました。気がつけば、父・悠太郎もおっさんになってますねぇ(笑)。なんとも言えないおやじっぷりを醸しだしていると思いますよ。
 “抱腹絶倒のコメディ”と告知されてるのでハードルは高いですが(!)、きっと込み上げてくるおかしみがあると思います。そして、恋におぼれる情緒不安定な泰介を見守ってやってください(笑)。同時に、これまで9カ月にわたって作ってきた「ごちそうさん」の世界観がたっぷり出ていると思うので、お祭りのような気分を味わいながら楽しんでいただきたいですね。

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連続テレビ小説 ごちそうさん

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