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平成22年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (諸井真英議員)

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年12月27日更新

男女共同参画審議会及び苦情処理機関の在り方について

 諸井真英議員(自民)

 条例によって設置されている男女共同参画審議会および県民からの苦情を処理する機関についてですが、これらの機関もその性質上、大きな問題があります。
 軍事についての用語ですが、「文民統制」という言葉が今年たびたび話題となりました。「よくよく勉強したら、防衛大臣は自衛官ではないんだね」と、文民統制を知らない、憲法を知らない人が総理であることは、冗談のようですけれども事実であります。
 文民統制がなぜ必要なのか。それは、民主的な基礎を有しているかどうかが重要なのです。つまり行った判断、言動について、政治家のみが国民、県民に対して直接責任を負える立場だからなのです。この審議会の委員、苦情処理機関の委員、さらに言えば県職員をはじめとする公務員、事業仕分けの仕分け人、どなたも有識者からもしれないが、国民、県民に対して直接責任をとれる立場にはありません。にもかかわらず、県政に影響を及ぼすこと自体が大きな問題なのです。
 苦情処理機関は、過去に男女別学高校の廃止、男女混合名簿の導入などの勧告を議会の議決無く行い、県政に多大な悪影響を及ぼしています。また、審議会の議事録を読んでみると、一方的に偏った立場の方の発言ばかりであり、私のような立場の方はいません。さらに、「審議会で出た意見が他の担当課にも予算も含めて反映されるべき」などの発言もあり、ご自分の立場をわきまえていない方も見受けられます。これら委員と公務員だけで県政を担当するのであれば、議会は不要であり、議会制民主主義の否定につながります。
 文民統制のとれていないこのような機関を置くこと自体が、地方自治法および憲法の理念をじゅうりんするものであり、委員の選考の仕方、機関の在り方も含め、条例を根本から見直すべきと考えますが、知事のご所見を伺います。


 上田清司 知事

 男女共同参画審議会は、埼玉県男女共同参画推進条例で定めた基本理念に基づき、男女共同参画の推進に資するご意見をいただくために設置されたものでございます。
 委員の選考に当たっては、以前はいざ知らず現在では全般的に男女共同参画に造詣の深い大学教授、労働界、マスコミ界、教育界などから幅広に人選を行っております。
 また、審議会から頂いた意見については、県がいろいろな角度から検討した上で、取り入れるものは取り入れ、除くものは除いて施策や予算に反映しているつもりでございます。
 私も知事就任当時に、主力メンバーの方から「男女別学をやめて男女共学にせよ」というご意見を頂きましたが、即座にはねのけました。
 現場の方々が現状でいいと言っているのに、現役の人や卒業生やその父兄がいいと言っているのに、「公権力を使って無理にすることはない」と、「男女共学の場はたくさんあります」と、「全県一区でやっておりますので大丈夫です」と、こう言ったことを覚えております。
 いずれにしても、男女共同参画審議会が何かを決定的に決めているわけではなく、ご意見を頂いているという認識を私は持っています。
 また、男女共同参画苦情処理委員は同じ条例に基づいて設置された中立の第三者機関でございます。
 こちらの方は、委員の二人は埼玉弁護士会から推薦をいただいた方で、もう一人の方は、労働法を専門としておられる大学教授でございますし、どちらかといえば人権侵害などの苦情を処理するという形の中で、リーガルマインドのもとで解決に対する助言や勧告を行っているもので、県の政策とはあまり関係のない仕組みになっていると私は理解しております。


再Q 諸井真英議員(自民)

 男女共同参画審議会及び苦情処理機関の在り方についてですけれども、確かに知事のおっしゃるとおり、今の段階において特に問題は無いようにも見えます。ただ、「これは結果が良いから、良い」のではないと思います。
 過去に、私が申し上げたように、男女別学にしろとか、男女混合名簿にしろという勧告を出した結果、県立の高校が75パーセント以上男女混合名簿を残している、そういう事態であります。これは、議会の議決なく勧告を行ったわけであります。こういうことを考えても、これは勧告ということで、特に苦情処理機関、3人しかいないわけでありますけれども、この3人がどういう方になるかによっては、いろんな勧告が出る可能性があるということが問題だと言っているわけです。
 ですから、ここで「私が男女共同参画は問題だ」ということを言ったら、その3人が、じゃ、「諸井という議員はけしからん」と、「そんなことを言うことは駄目だ」と勧告が出る可能性があるんです。実際に出るかどうかじゃないんです。そういう可能性がある制度だということが、文民統制がとれていないということなんです。
 そのことについてのご認識をもう一度知事にお伺いをいたします。この制度は大変問題があります。暴走したときに止められないんです。


 上田清司 知事

 私も、一定の思考を持つ方からのご提案を頂いたこともございますので、そういうきらいがあったのかなというふうに思っております。
 また、苦情処理委員3名というところにも問題があるんじゃないかということも伺いました。
 確かに言われてみれば、2対1になった時に、わずか2人の意見で良いのかというような、こういう議論もあるかもしれません。
 このあり方についてもですね、あるいは人数を増やした方がいいかもしれません。
 また、苦情処理に対する勧告などについてですね、第三者的な立場の方がいい場合もありますので、その部分と実際、労働委員会なんかの紛争処理と、どのように片付けていくかとか、いろんなことを考えていかなくてはいけないと思いますので、問題提起をしっかり受け止めてですね、なかなか隅から隅まで私も手が回らないところもありますが、ご提案いただいたことはしっかり受け止めて対応したい、このように考えます。


・上記質問・答弁は速報版です。
・上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。