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【静岡】

大韓航空が静岡−ソウル線を運休 来月30日から

 大韓航空は六日、静岡−ソウル線(週三便)を三月三十日から当分運休すると県に通知した。安倍晋三首相の靖国神社参拝などによる日韓関係の悪化で利用者数が減少し、三月のダイヤ改正に伴い見直す。これによりソウル線はアシアナ航空の週五便のみとなる。

 崔晶皓(チェジョンホ)日本地域本部長が県庁を訪れ、川勝平太知事に報告した。

 報告は非公開で、服部真樹理事(空港振興担当)によると、崔氏は「需要が厳しいため当分の間運休する。需要を取り込み、できるだけ早く再開したい」と、撤退ではなく、一時的な運休と説明。知事は「残念だが早期再開に向けお互い努力していく」と応じた。

 具体的な運休期間や再開の条件は示されず、同社静岡支店、静岡空港のカウンターを存続するかにも言及はなかったという。

 同社は昨年九月、毎日運航の週七便から、水、金、日曜の各一便に減便。搭乗率は二〇一〇年度は72%だったが、昨年は47・3%に低迷していた。

 服部理事によると、先月中旬、同社のソウル線が三月末以降の予約が取れないとの情報が旅行会社から県に寄せられた。県が大韓航空に再三確認したが、未定としか回答がなかった。

◆県、空港経営に痛手

 二〇〇九年の静岡空港開港時から就航する大韓航空のソウル線。運休の通知は、県担当者や旅行会社の関係者に冷や水を浴びせただけでなく、空港経営をさらに厳しくするのは必至だ。

 服部真樹理事は、記者団から運休による空港収支への影響を問われ「着陸料収入、利用者数の影響などかなり大きいと思うが、どれぐらいのインパクトか測りかねている」と戸惑いを隠さなかった。

 県空港経営課によると、静岡空港の一二年度の単年度赤字は五億三千万円。大韓航空は同年度、着陸料千七百万円、給油施設使用料百八十万円を支払っており、運休が空港経営を圧迫する。ある県幹部は「事前に全く運休の連絡はなかった。民間会社とはいえドライすぎる」と同社の対応に苦言を呈した。

 県総合計画で年間七十万人、一四年度からの新計画で八十五万人に上方修正する空港の年間搭乗者数への影響も避けられない。しかし、服部理事は「数字を見直す考えはない。大韓航空には早く運航を再開してもらいたい」と述べ、同社の運航再開やアシアナ航空の増便、新規路線の誘致などを模索する意向を示した。

 旅行会社「タビックスジャパン静岡支店」(静岡市葵区)は四月以降も大韓航空のソウル線を利用する商品を販売してきたが、三月末以降の予約ができない状況になっていたため、積極的な販売を控えていた。

 担当者は「開港時から大韓、アシアナの二社体制で空港を盛り上げようと、われわれも商品開発して協力したのに残念」と話した。

(本田英寛)

 

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