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松坂日本人最多17勝、次はアジア最多19勝

ウェークフィールド(中央右)に祝福されるレッドソックスの松坂
ウェークフィールド(中央右)に祝福されるレッドソックスの松坂

<レイズ5-13レッドソックス>◇15日(日本時間16日)◇トロピカーナフィールド

 【セントピーターズバーグ(米フロリダ州)=高宮憲治、山内崇章】レッドソックス松坂大輔投手(28)が、歴代日本人メジャー投手の頂点に立った。レイズとの首位攻防戦に先発し、岩村明憲内野手(29)に6号ソロを浴びるも5回3安打1失点。6本塁打、13点の援護も得て楽々と17勝目を挙げた。96、02、03年に16勝を3度達成(いずれもドジャース在籍)した野茂英雄を超えた。今後は王建民(ヤンキース)のアジア人最多タイの19勝に挑む。レッドソックスはゲーム差なしの2厘差で首位レイズをとらえた。

 走者を許しても点は与えない。5回3四死球、101球。制球が安定せず球数が増えたが、粘り腰で試合を運ぶのが松坂独自のスタイル。日本人メジャー投手の新たな歴史を切り開いた17勝目は、パワーで押し込む投球が随所に現れた。

 7奪三振。最速95マイル(約153キロ)の球速に、相手のバットがことごとく振り遅れた。前回9日の同カードで3失点した。勝てなかった反省を生かし本気で首位決戦の初戦を取りにいった。

 松坂 レイズを抑えている(他球団の)何人かの投手のビデオを見る機会があり、それを参考にしました。

 左打者7人をそろえたレイズ打線に内角シュート(打者にぶつかる角度からベース上に入れ込むボール)を多投した。逆に外からベース上に入るスライダーも交える配球で惑わせた。球数が増えたのは、細かな制球で完ぺきを求めた結果であり、狙いの定まった一貫性のある投球内容だった。

 松坂 (チームを勝ちに)導いたというより勝たせてもらった。今年に入りここ(セントピーターズバーグ)で勝っていなかったので1つ勝てたのは大きい。

 日本人の歴史を塗り替えた実感はない。「僕は最初から日本人がここ(米国)で勝てることを信じて来た。そこ(17勝)を目標にしてきたわけではない」。野茂の記録、功績は偉大であり、17勝する道の険しさは分かっている。それでも主語に「日本人」を使う時代ではなく、当たり前に日本人が米国の野球を変えていく時代だと確信している。

 17勝を目前に2度の足踏みした間に、家族の粋な計らいで気持ちが安らいだ。13日に28歳の誕生日を迎えたが、当日はダブルヘッダーが組まれたため、倫世夫人(33)が記念日2日前の休日にサプライズのパーティーを計画してくれた。夫には内緒で通訳、トレーナーらの球団関係者、親しい近隣住民、プロのマジシャンまで自宅に招待した。「驚きの連続でした」。朝起きたら居間がただならぬ状況にだった。妻の温かい心遣いに感謝した。

 次回21日(日本時間22日)ブルージェイズ戦、最終登板26日はヤンキース戦(同27日)。今季残す先発機会も2試合になった。次はアジア最多勝投手の王建民(ヤ軍=19勝)に肩を並べる。世界の舞台で大きく呼吸し、当たり前に、堂々と自分のボールをミットにぶつける松坂の目標は、今後も無限に広がっていく。

[2008年9月17日9時5分 紙面から]


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