☆ キャベツの話 ☆ KNU ダイエット 食材玉手箱


キャベツは淡色野菜の代表。摂取量・機会が多く、ビタミンやミネラル、食物繊維などの重要な供給源になっています。1990年、アメリカの国立ガン研究所が提案した「デザイナーフーズ・リスト」では、キャベツはガン予防可能性の高い食品のトップグループにランクされました。

キャベツは約92%が水分、タンパク質や脂質は少ない。炭水化物は約5%で甘味に関与し、おいしさを引き出しています。ビタミンA(カロテン)、B1、B2、C、E、Kなど、ほとんどのビタミンを含んでいます。特にビタミンCが豊富です。ビタミンCは抗酸化作用があり、活性酸素の生成を抑えると同時に発ガン性物質の生成を防いだり、細胞間結合組織成分コラーゲンの生成を促すので、ガン、風邪の予防、疲労回復、肌荒れの解消などに効果的です。緑の濃い外側の葉にはビタミンKも多く含まれています。ビタミンKは血液を凝固させる作用や骨を強くして骨粗鬆症を防ぐ作用もあります。

キャベツにはガン抑制物質であるイソチオシアネート、ペルオキシダーゼなども多く含まれています。イソチオシアネートはキャベツの香気成分ですが、発ガン性物質の活性化を抑制する働きや、ガン細胞の増殖を阻止する働きがあるとされています。ぺルオキシダーゼは食品を加熱したり、調理する過程で発生する発ガン物質の活性化を妨ぐ酵素です。このようにキャベツにはいろいろなガン抑制物質が多く含まれていますので、ガン予防に効果の高い食品として注目されているわけです。

ビタミンU(通称:キャべジン)は、正確にはビタミン様物質ですが、胃腸粘膜の新陳代謝を活発にし、粘膜細胞を保護する働きや修復する働きがあり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに効果があるとされます。また、肝臓に余分な脂肪が沈着して起こる脂肪肝を予防する働きや肝臓の解毒作用を助け、肝機能をバックアップする働きもあると言われています。ビタミンUは水に溶けやすく、熱に弱いので、サラダなど生で食べるほうが効果的です。

◇ 参考リンク ◇
◆食材百科事典:キャベツ
◆四群点数法:第3群

  五明紀春・女子栄養大学教授
編集協力:足立尚子・女子栄養大学生涯学習講師
Nov/2007