私にとって憧れのめ以子の生き方を視聴者の皆様に届けたい(森下)

-連続テレビ小説「ごちそうさん」の見どころは?

森下
ずばり、め以子の生き方です。め以子は、不器用だし、難しいことはわからないけど、人を思う気持ちだけは人一倍あるんですよね。その気持ちを彼女の武器である食い気や料理で伝えていく姿に注目していただきたいですね。
岡本
あんなにストレートに気持ちを伝えられるめ以子の生き方って、羨ましいですよね。

森下
夫のことがあんなに好きで、一生好きでいられるってのも、とっても羨ましい(笑)。そして、好きな人に自分の料理を一生喜んで食べてもらいたいし、一生を費やすことが私の夢であるなんて、ある意味憧れてしまう生き方ですよ。
岡本
そんなめ以子を取り巻く家族たちも魅力的。東京編は、食べ物が真ん中にあることでできる家族の輪を感じていただき、大阪編は、様々なタイプの女性たちが一生懸命生きているからこそ生まれる考え方の違いが共感ポイントですね。
森下
東京編でも大阪編でも、本当にいろいろなタイプの女性が出てくるので、自分と似た気持ちを持っている人だったり、自分とは全然タイプが違うけどそのシーンのその気持ちに共感できたり、登場人物たちの気持ちを感じていただきながらご覧いただきたいですね。とは言え、「ごちそうさん」は基本的にはラブコメなんで(笑)、ヒロイン・め以子の恋模様を楽しんでいただきたいですね。

杏さんの試さないと気が済まないところは、め以子そのもの(森下)

-ヒロイン・め以子を演じる杏さんについて

岡本
オファーをしたきっかけは、杏さんのパワフルで前向きなイメージが、め以子と重なったから。とは言え、興味があるものに対しては突っ走る女学生時代のめ以子を演じていただく際は、かなり頑張ってもらわないといけないかなとは思っていたんですが、実際はそうでもないみたいで(笑)。
森下
杏さんの試してみないと気が済まないところは、め以子そのものですからね(笑)。杏さんと岡本さんと私でご飯を食べたときも、わからない言葉が出てきたら、杏さんはすぐにスマートフォンで検索してましたからね。意味がわかったときの「これです!」ってキラキラした目で言ったり、「かわいい~」って言いながら一生懸命イクラを撮影したりする姿はまさしくめ以子!

岡本
お会いするまでは「クールビューティー」というイメージが先行していましたが、大正・昭和の女性に興味があったり、料理が好きだったり、本当にめ以子を演じるために生まれてきたと言ってもいいくらいぴったりハマってますよね。
森下
確かにそうですね。実は、先日収録にお邪魔したときに、杏さんが収録の合間にしゃもじについたお米をつまみ食いしている姿を目撃してしまったんですよ。私の気配を感じて振り返った際の「しまった!」という表情は、頭の中に描いていため以子そのものでしたね。

-杏さん以外の登場人物について

室井幸斎は、10月7日(月)放送分から登場

竹元教授は、10月16日(水)放送分から登場

岡本
注目というか、他のキャストとは違う発想から生まれたキャラクターはいますね。一人は、『食道樂』の作者・村井弦斎さんにオマージュをささげて誕生した、山中崇さんが演じる室井幸斎。もう一人は、大阪のまちづくりに多大な影響を与えた建築家武田五一さんへの敬意から生まれた、ムロツヨシさんが演じる竹元教授です。
森下
実際の村井さんや武田さんには、「ごめんなさい」って感じで、ユニークな人物になってしまって…(笑)。でも、実際の歴史をバックにしながら、自由に表現させていただいているので、物語上でよいアクセントになっていますね。

出身地である大阪だからこそ独特の文化をしっかりとお伝えしたい(森下)

-森下さんの脚本について

岡本
連続テレビ小説は人物がたくさん出ることもあり、言葉で相手に伝えることが大切だと感じていました。「ごちそうさん」の脚本をどなたに依頼しようかと考えた際、手がけられたお仕事を見ていて、骨太でセリフの力があるなと感じていた森下さんがまず頭に浮かびました。森下さんが書かれた脚本は、セリフを通して思いや熱意が相手に伝わり、しっかりとしたシーンとなって、ご覧になる方の心に届き、泣け、感動できる。しかも、大阪・高槻市のご出身なので、物語の背景となる大阪ならではの事柄についてのニュアンスもおわかりだろうと考え、依頼させていただきました。
森下
時代や地域の違いはあるにせよ、大阪は生まれ育ったところですからね。もし大阪ではなく、九州に嫁ぐ話だったりすると、戸惑いますね。まず、言葉のイメージが湧かないですから。食文化に関しても、地域にはそれぞれ独特の文化があるので、知っていると知らないでは大きく違いますよね。料理や食材がメインに出てくるときは、「今週は昆布を使うぞ」とか、大阪ならある程度あたりがつけられますから。
岡本
食材や技法について、お詳しいですよね。
森下
いやいや、私は食べるのが好きなんで、完全に6歳のめ以子です。物語とは違って、大人になっても食べる専門で(笑)。

毎週どこかで出てくる特殊な意味を持つ「ごちそうさん」をお楽しみに(森下)

―視聴者へのメッセージ

岡本
「ごちそうさん」は、ヒロイン・卯野め以子の半生を描く一大ストーリーですが、森下さんの頭の中には決して尽きることのない物語が出来上がっていて、登場人物たちが動いているんです。そのエネルギーあふれるストーリーをご堪能ください。
森下
物語のなかには、ある特殊な意味を持つ「ごちそうさん」が毎週出てきます。脚本を担当した立場としては、こだわって入れた言葉なので、毎週楽しみにしていただきたいですね。
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連続テレビ小説 ごちそうさん

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