雪絵が誘拐され、越前も誘拐団の手に。犯人の要求は囚人の釈放。越前は要求をのむ。事件の鍵を握る囚人は、釈放された途端に撃たれてしまう。背景には大名家の世継騒動が。

山城屋の若旦那は放とう息子。知人から借金して茶屋遊び。その恩人が落ちぶれ昔の借金を返してもらおうとするが若旦那から借金証文を取り返そうとした息子が火事を起こす。

長雨のため大飢きんが起きる。人々を扇動して幕府の転覆を謀る祈とう師が現れる。越前の父・忠高が祈とう師を探るうち、老剣士と知り合う。老剣士は祈とう師の野望を知り…

公金を横領して失踪した武士の妻が、夫の無実を信じ、帰りを待っている。妻を支えるのは中間のまごころ。夫を罪に陥れた奸物どもに一人立ち向かう妻に、越前が加勢して…。

卍（まんじ）組を名乗る殺りく集団が江戸市中を恐怖に陥れ、後手に回る奉行所への風当りが強まる。越前失脚を狙うからくりに苦戦しながらも事件を解決する大岡ファミリー。

島原の乱で手柄を立てた旗本坂田家に代々伝わる鎧（よろい）がある夜突然動き出し、亡霊にとりつかれた当主が殺される。怨霊騒ぎの裏に潜む相続争いの謎を鮮やかに解く。

煙草（たばこ）屋の喜八は、昔世話になった若旦那のために質屋に泥棒に入ろうとして、本物の泥棒と出会い、火付盗賊改めに召捕えられる。喜八の女房は再吟味を願い出て…。

養生所の見習い医者となった数馬は酒びたりの継母を憎んでいた。継母が何者かに斬られ、数馬の父と数馬がともに自分が犯人だと自首。越前は真犯人が別にいると推理する。

忠相は青梅の庄屋の跡取り息子が神隠しにあった事件の捜査を依頼され、青梅へ潜入する。庄屋の女房は息子の継母で、自分が生んだ子を跡継ぎにしたいための犯行と疑われ…。

辰が恋の病にかかる。相手は門前仲町の遊女お梶で、なんと千春とうり二つ。お梶は寺社奉行の小検使長谷川の手先で、金貸し殺しの罪を辰に着せ、辰は北町奉行に召捕られる。

昔の抜荷事件の書類が入った奉行所の御用箱が盗まれた。当時の吟味与力が越前屋を事実無根の罪で死罪に陥れ、越前屋の娘と番頭の伜が復しゅうを企てているのを忠相は知る。

旗本嘉川家の若様が誘拐された。若様は先代の実子で今の主税夫婦は養子であった。用人・安間は、主税の実子を嘉川家の次の跡目にして主家を思いどおりに繰ろうとたくらむ。

強請の罪で入牢（ろう）した老婆に、息子から、店の主人に見込まれ婿養子になり、主人共々母に会いに江戸に行くという手紙が届く。忠相の慈悲で老婆は牢から出されるが…。

加賀大聖寺藩の若殿が、深編笠の浪人に殺される。藩の江戸家老の陰謀だった。忠相は深編笠の浪人そっくりの姿になって、探索に出かけ、家老の一派がおびき出されるが…。

若い同心田所は、常磐津師匠お栄に恋している。実はお栄は抜け荷の仲間で、田所を利用して取締りの情報を得ていた。左門が抜け荷の一味に忍び込むが密偵と知れ危機に陥る。

呉服屋に強盗が入り犯人は手にやけどの痕が。店の者が手引きをした模様。婿養子となる番頭に脅迫状が来る。番頭は女を囲っていた。それを知る手代が番頭を脅迫、殺される。

薬種問屋小西屋の息子が浪人の娘お光を見そめ、縁談が進む。しかし偽医者が縁組を壊し、お光を襲う。お光は操を守るため偽医者を殺し、自首する。忠相はお光を救うため…。

忠相は名主がいいなずけとその亭主を殺したという事件を再吟味。四年も独りぼっちにされたいいなずけの話から、伊織は千春を連れ長崎へ行くことを決心。