新ローマ法王:「フランシスコ」謙虚な人柄、名に反映

毎日新聞 2013年03月14日 21時17分(最終更新 03月15日 15時24分)

 「私たちのようにバスに乗って、街を歩き、貧困について語る。人々に近い存在です」。バチカンのサンピエトロ広場で新法王誕生を見届けたブエノスアイレス出身のドロリスさん(44)は、フランシスコ1世の人柄をそう形容する。

 バチカン報道官によると、フランシスコ1世は13日夜、法王に選出された後、公用車を断り、他の枢機卿と共に小型バスで宿泊施設に戻り、14日には自分で宿泊料金を支払ったという。

 イタリア人移民の両親のもと、5人きょうだいの1人として1936年にブエノスアイレスで生まれた。父は鉄道員、母は主婦の中流家庭。若い頃に肺を患い片肺を摘出している。

 布教と清貧を旨とするイエズス会に21歳で入会。01年に枢機卿になった後も専用の邸宅に引っ越さず、小さなアパート暮らしを続けた。生活の足には公共交通機関を使い、食事も自炊するなど質素な生活ぶりだった。司祭叙階は32歳で、聖職者としては「遅咲き」だが、持ち前の謙虚さで周囲の支持を集め、4年後にはイエズス会のアルゼンチン管区長に選出された。毎週日曜にはブエノスアイレスの貧民街でミサを開いた。

 法王名は13世紀初めにフランシスコ修道会を創立したイタリア・アッシジの聖フランシスコにちなむ。イエズス会とは異なる会派を象徴する名前だが、フランシスコ会の神父は「この名前を選んだのは(聖フランシスコが体現している)謙遜と素朴さの表れだ」と解説する。2位となった05年の前回コンクラーベでは、自分を支持しようとした枢機卿に対して、ベネディクト16世に投票するよう懇願したと言われている。

 未婚の母やエイズ患者に手を差し伸べて社会正義の象徴となる一方で、妊娠中絶や避妊に反対する保守的な立場をとる。アルゼンチンの歴史家エルサ・ブルソネ氏(58)は「(保守と改革の)両面性を持つ」と分析する。

 ◇88年に来日

 関係者によると、宣教活動視察のため88年に来日している。

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