新ローマ法王:フランシスコ1世、19日に即位

毎日新聞 2013年03月14日 21時58分

 【ローマ福島良典】第266代ローマ法王に選出されたアルゼンチン出身のフランシスコ1世(76)=本名ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ=は、法王選挙会議(コンクラーベ)から一夜明けた14日、コンクラーベが行われたバチカン(ローマ法王庁)のシスティーナ礼拝堂でミサを開く。また地元メディアによると、前任のベネディクト16世(名誉法王)が住むローマ郊外の離宮を訪れ、面会する。19日に新法王として即位し、最初のミサをささげることになる。

 中南米出身の法王は初めて。欧州以外からの法王誕生は、第90代法王のシリア人グレゴリウス3世(在位731〜741年)以来1272年ぶり。また世界各地への布教と清貧をモットーとし、日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルらが創設した「イエズス会」の出身者は、歴代法王の中で初めて。

 新法王は14日午前、ローマ市内のサンタマリアマジョーレ大聖堂で、聖母マリアに祈りをささげた。

 前任のベネディクト16世は、高齢による体力の衰えなどを理由に2月28日に退位。通例は終身制で、生前退位は約600年ぶりだった。空位期間はベルトーネ前国務長官が「カメルレンゴ」(法王代理)を務めていた。

 フランシスコ1世は1936年12月17日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス生まれ。イタリア系移民の父親が鉄道員として働く中流家庭で育った。イエズス会で修練後、ブエノスアイレスの神学校を卒業し、98年にブエノスアイレス大司教に任命された。01年に枢機卿。05年のコンクラーベではベネディクト16世に次ぐ2番目の票を獲得していたとされる。05〜11年、アルゼンチン司教協議会議長を務めた。小さなアパートでの質素な暮らしぶりで知られる。

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