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【コラム】

ついに「1GB=1ドル」を切り、SSDは本格普及へ向かう

“普及へのターニング・ポイント”を突破。3年間で容量単価は3分の1に
(2012年12月18日)
IHS iSupplyが10月に発表した世界SSD出荷予測では、今年上半期の1,290万ユニットに対して下半期は2,800万ユニットの出荷が予測されている

 ここ数年、SSD(Solid-State Drive)の価格は急激に安くなり続けてきた。今年(2012年)は、専門家たちが“普及へのターニング・ポイント”と指摘してきた容量単価「1GBあたり1ドル」を割り込み、2010年の価格比で3分の1となった年だった。

 市場調査会社IHS iSupplyのデータによると、SSD容量単価は今年第2四半期(4-6月期)だけで20%下落しており、さらに下半期になってからも10%下落している。

 IHSのSSD&ストレージ担当アナリスト、ライアン・チェン(Ryan Chien)氏は、「現在、SSDの容量単価は1GBあたり0.8~0.9ドル程度となっており、セール品ならばさらに安い」と説明する。

 「ここ数年、NANDフラッシュ・メモリの過剰供給を主な要因としてSSDの価格下落が続いてきたが、現在は需要に応じた生産量に調整され、価格は安定し始めている」(チェン氏)

「SSDは“ニュー・ノーマル”になった」

 また、小売価格調査サイトDynamite Dataによると、昨年、SSDの価格は23%下落したという。

 Dynamite Dataでは過去3年間、数百の小売サイトに掲載された600以上のSSD製品について、小売価格、割引額、在庫状況をモニターしてきた。そして今年8月、SSD価格がついに1GBあたり1ドルの“マジック・ポイント”を割り込んだことを受け、同社はブログで「SSDはニュー・ノーマル(新しい標準)になった」ことを宣言した。

 2010年当時、ほとんどのSSDの容量は128GB以下であったが、平均容量単価は1GBあたり3ドルだった。今年、Dynamite Dataのチーフ・アーキテクト、クリストファー・クビッキ(Kristopher Kubicki)氏は、ブログ投稿で次のように記している。

 「低価格SSDの1GB単価が、店頭での大幅な値引きによって1ドルに達したのは4月のことだった。業界は、非常に着実かつ迅速にそれに追従した。たった4カ月のうちに、大手メーカーや新興メーカーも1GBあたり1.5ドルから1ドルへと値下げを行ったのだ」

 クビッキ氏によれば、現在、SSDの価格は過去3年間で最も急速に下落しているという。「現在、ドライブあたりの価格は安定しつつあり、今後2、3年のうちにはドライブあたりの容量が大幅に増加するというのがわたしの予測だ」(同氏)。

 同様に、ストレージとメモリの価格調査サイトDRAMeXchangeでもSSD価格が安くなっていると報告している。同サイトによれば、2012年初頭比で24%の価格下落だ。一方でHDDの価格は「暴騰」し続けており、2011年のタイ大洪水発生前の水準と比べて47%も高いという。

 それでも、HDDと比較するとSSDの容量単価はまだまだ高いと、DRAMeXchangeのアナリストであるジェシカ・チャン(Jessica Chang)氏は述べる。

 「HDD価格が(以前の水準より)高く、一方でSSDの価格下落は続いている。それでも最大容量クラスのSSD(300~600GB)におけるGB単価は、500GBノートPC向けHDDのおよそ9倍高価である」(チャン氏)

 2009年ごろと比べると、SSDの信頼性や耐久性、パフォーマンスは大幅に(場合によっては2、3倍も)向上している。

 新たなSSDのカテゴリーも誕生している。例えば従来型のHDDに、NANDフラッシュによるキャッシュを追加した「ハイブリッド・ドライブ(ハイブリッドHDD)」がある。また、ドライブ・スロットを2つ備えたノートPCも登場している。1台のPCにHDDと小容量のキャッシュ用SSDを搭載することで、OSやアプリケーションの起動をスピードアップする。

 価格は劇的に下がっているが、HDDをSSDに入れ替えて(換装して)パフォーマンスを改善するPCアップグレードの市場はニッチだと考えられている。「HDDやDRAM(の買い換えや追加)が魅力的ではないとしても、SSDの需要よりは遙かに多い」(IHSのチャン氏)。

 こうしたコンシューマー向けSSD市場では、IntelとSamsung Electronicsが市場1位と2位の座を堅持し続けている。「それに続くのがOCZ、Micron(Crucial)、Kingstonだ」(チェン氏)。

 一方チェン氏は、デスクトップ/ノートPCや、ディスク・アレイ製品ベンダーにSSDを出荷するメーカーとしては、Samsung、東芝、Intel、Micron、Sandiskの名を挙げた。

(Lucas Mearian/Computerworld米国版)

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